勉強会

2007年12月 5日 (水)

勉強会 :認知症(5)

よくある事例と対応の仕方

○食事を食べたのに「食べてない」と言う

(家庭にて)30分前に朝食を食べたのに、「食事はまだか、わしゃ腹が減ってしょうがない。おまえ、早く食事を出さんか」と言う。

(施設にて)「おーい、私はおなかがすいて死にそうだ。誰か私を助けてください。私は殺されます。私は○田△子です。どうか私を助けてください。何か食べるものをください」と大声で言いながら廊下をはいずる。

※対応例

・ついさっき食事したことを優しく説明して納得してもらう
・無視して放っておく
・お菓子と飲み物、おにぎりなどを目の前に置く
・何としてでも食事を用意する
・ひたすら、謝りの言葉を連発する
・馬鹿なことは言わないようにと叱りつける

○おすすめの対応は・・・

まずは「ごめんなさいね、今日は忙しくてご飯の準備が遅れてしまって・・・」などと謝りの言葉をかけ、「もう少し待ってくれたら準備が出来ますから、お茶とお菓子でも食べて待っててね」とお茶とお菓子を出して明るく対応する。また、テレビをつけて関心をそちらに向けたり、本人の好きなことを話したりして、食事と関係ない話題を展開する。

食べたのに「食べてない」と言うのは、アルツハイマー型認知症の中期以降にかけて多く見られる状態で、対応の仕方によっては、けんかや暴言、暴力行為に発展しかねない。うまく対応することで落ち着いた状態が戻り、トラブルを回避できる。もちろん、同じことがまた次の食事の後に繰り返される可能性はある。


○「家に帰る」「家に帰りたい」と言う

(施設にて)「私は家に大事なものがありまして、家族が心配で、お金もありませんし、家に帰りたい・・・」と感情失禁の状態になる。

(施設にて)ナースステーションに来て、「先生、私はどっこも悪くないから帰してください。家はすぐそこで歩いて行けます。家賃ももらわないかんし、家も放ったままですから、明日帰してください」と言う。

(家庭にて)自分の家なのに、「ほんとにお世話になったな、今日の食事は美味しかった。じゃ、おいとまするわ」と席を立って家を出て行こうとする。

※対応例

・「いいですよ、気をつけてお帰りください」と言う
・「ここがあなたの今住んでいるところですよ」と丁寧に説明する
・「今日は遅いですから、明日にでも帰るようにしましょう」と言う
・無視して放っておく
・馬鹿なことを言わないようにと強く叱る
・「そこまで一緒にお送りしましょう」と言って、一緒に外出する
・「帰る前に、お茶とお菓子でも食べてからお帰りください」と、お茶とお菓子を出す

○おすすめの対応は・・・

家庭の場合は、「帰る前にお茶とお菓子でも・・・」と言って、「じゃあそれをいただいてからにしようか」とくれば、50%くらいは帰ることを忘れてくれる可能性がある。「やっぱり帰る」ときたら、「今日は遅いから一晩泊まって・・・」と言って「泊まろう」とくればほぼ大丈夫。しかし「やっぱり帰る」となれば、送っていくと言って一緒に外出するしかないだろう。

施設の場合は、「いいですよ、では今から手続きをしますから、今日の夕方か明日の朝には帰れます。家のかたが迎えに来るようにしておきますから、来られたらすぐにお呼びしますね。どうぞお部屋でお待ちください」と穏やかに言う。本人の言うことを理解して受容しますという態度をとる。嘘の約束をしていいのかと思うが、本人は数時間後、数分後には忘れている可能性が高い。本人が訴えているその時その瞬間に、満足を与えること、納得してもらうことが重要であり、それによってさらなる異常な行動の発生を抑える確率が高くなる。

本人は、自分が認知症のために入院(入所)しているとは夢にも思っていないので、いつでも退院(退所)出来ると思い込んでいる。また、家庭の場合、自分がいる場所が自分の住んでいる家ではない、という誤った認識がある。どちらも本人にとっては主張していることが事実であり、真実なのだ。それに対して誤りだと訂正するのはナンセンスであり、本人にとっては不愉快なこと。「本人にとっての真実」を認め、受容して、本人の満足する方向に沿って対応することが本人の幸せにつながる。

アルツハイマー型だと中期程度で、時間の見当識障害に加えて場所の見当識障害がみられるようになる。脳血管性では、どのレベルで出現するかは予想できない。


このような、本人の満足する対応をすることは、本人にとって快適な環境を作ること、広い意味での環境整備ということになり、これによって異常な行動が減少することは経験的に明らかではあるが、一方で、介護者に精神的な負担を負わせることになる。特に在宅で家族介護の場合、いかに介護者の精神的負担を少なくして介護を継続できるようにするか。各種の介護サービスを利用したり、本人だけでなく介護者も含めた家族の皆が幸せに生活できる環境整備が重要となる。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

勉強会 ・認知症 (4)

認知症高齢者ケアの対応


1.話すときは近寄って相手の目を見ながらゆっくりと

2.話の内容よりも感情を汲み取る

「あれ」「これ」という指示語はできるだけ避け、具体的に簡潔に表現するよう心がける。

3.高齢者の意思を引き出すような対話を

「○○欲しい?」よりも「欲しいものは何?」という会話が望ましい。

4.生活暦の中で充実していた頃、輝いていた頃のことを話題にし、関心を揺り起こすよう試みる。

5.個別性を大切に、受容と傾聴

どのような話でも十分聞く。

6.自尊心を傷つけない

間違ったり理解できない行動に対して、叱ったり訂正したりすることは無意味である。叱られた原因が理解できず屈辱感だけが残り、度重なるとうつ状態になったり被害妄想的になったり攻撃的になったりもする。間違っていても危険を伴わない状況なら、強制的な指導はしないで忍耐強く高齢者に合わせる。

7.納得できるように話す

状況や相手により言葉を変えたり、しばらく間合いを置いたり、(対応する)人を代えたり、工夫や機転をきかせて納得するように話す。

8.介護者のペースで物事を運ばない

一般的に高齢者は動作が遅く、タイミングがずれる場合が多い。一方、介護者は忙しく動き回っており、認知症高齢者は周囲の状況が理解できずに落ち着きを失うことがしばしばある。介護者は全員が一時に動くのではなく、高齢者とゆっくり行動を共にするスタッフを残して、ペースを乱さないような配慮が大切。

9.情報は簡潔に

いくつものことを一度に伝えると混乱する。単純な内容にして一つずつ伝える。時間がわからなくなる場合が多いので、将来のことを言うと「今」と勘違いして大混乱することがある。

10.わかる言葉を使う、姓名で呼ぶ

高齢者は流行語は覚えられない。周囲が流行語で話すと疎外感を覚える。標準語で話し、人によっては生まれ育った言葉で話すと通じることがある。認知症が高度に進むと、自分が誰であるかもわからなくなってくるので、普段から折に触れ姓名で呼びかける。

11.非言語コミュニケーションを大切に

優しい仕草や柔らかく温かい眼差しで接する。手を握る、肩を抱く、背をさするなどの非言語コミュニケーションが大切である。

12.遠くから呼びかけずに近くで話す

テーブル、ベッドなどの障害物をはさんで話したり、高齢者が他に心を奪われている時に話しかけても効果はない。少なくとも1m以内に近づいて話しかける。個々にあわせて最も効果的な位置をとる。

13.後ろから声をかけることは絶対にしてはならない

驚いて転倒したり、大事に至ることがある。



◎気をつけたい(してはいけない)対応

・不安を増す言葉かけ

駄目だよ!/何をしているの!/そうじゃないでしょ!/そんなことがあるわけないでしょ!/何回言ったらわかるの/○○だって言ってるでしょ /○○して!/ ○○ちゃんあっち行って/もういいの!/こっち来て! など

・職員の態度

腰に手を当て立ちはだかる(威圧的態度) /聞こえないふりをする(無視)/一方的に話す/相手の言うことを聞かない/突然相手の顔を覗き込む/突然相手の顔を触る/断りもなく相手の私物に触る/断りもなく相手の身体に触る/子ども扱いをする(幼児言葉での対応)/忘れていることを人前で質問する(年齢を聞く、職員の名前を聞くなど)/失敗を注意、叱責、訂正する/失敗させまいとうるさく干渉する/行動を制限する/きめつけた口調や乱暴な言動

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 4日 (火)

勉強会 ・認知症(3)

認知症ケアの基本 (以下、当施設の認知症ケア対応マニュアルより)

ケアする人とされる人の、性格や人間関係、場の状況などによって、同じようなことが行われても結果は大きく変わってしまう。一人ひとりの特徴をよくのみこんで、その人に合ったケアの仕方を工夫していくことが大切。そのためには、日常生活における注意深い観察力や努力が必要である。

認知症高齢者は精神的ストレスに対して抵抗力が弱いので、保護的受容的に接することを原則として、権威的高圧的な態度は禁物。認知症高齢者は情緒的に敏感で傷つきやすく、ケアする人の言動や態度をみて、それに敏感に反応するものである。


介護・看護の基本

ケアは本来個別的なものであるが、介護・看護者の心がける原則として・・・

1.なじみの人間関係(仲間)を作ること

認知症高齢者が取る態度に「未知化」と「既知化」がある。未知化とは当然知っているべき馴染みのなかまのことまで忘れることであり、既知化とは他人であっても日常生活を共にして密着して暮らしていると、以前から知った人として勘違いされることである。これにより安全安住が得られ、入院入所時の精神症状や異常行動が薬を用いなくても軽減し、活発に暮らしていけることがある。従って、ケアする側が常に密着することにより話が通じたり心がわかったりし、援助が円滑に行く。

2.高齢者の言動を受容し、理解すること

認知症高齢者の錯誤性言動は、わずかに残る残存機能を用いて周囲に反応しようとする結果であるから、徹底的に矯正したり無視したりしてはいけない。自分の表現を閉ざされるだけでなく、生き方を失い、混乱・困惑し、病状が悪化する。高齢者の表現を許容し、耳を傾けて十分受け止めることにより、高齢者を理解することが可能になる。

3.ペースに合わせること

認知症高齢者には人間の根本的な「存在不安」があり、動作や心の表現が限られて、自分のペースでないと生きていけない。健康な家族に合わせようとすることで自分のペースが保てなくなり、かえって生き方を失わせる結果となる。彼らのペースに合わせて援助していくことで、安心や満足の中で気を許して身を任せ、同調・迎合から意識的な自発化まで期待できる。

4.高齢者にふさわしい状況を作ること

過去の生活史にふさわしい状況を作ると、思わぬ良い結果を生むことがある。認知症高齢者は適応が悪いといわれるが、それは健康な人の基準での判断であり、馴染みの仲間との関係を見ていると、順応がよくお互いに交流を保っている。

5.説得より納得すること

認知症高齢者は心情的に判断しているので、理論的説得は通じない。従って、気持ちが通じて心がわかるような感性的納得の仕方で対応する必要がある。

6.少しずつでも絶えず良い刺激を与えること

過去から習慣化して手順記憶となっているようなもの(裁縫、演芸、民謡、散歩、掃除など)を刺激として用いると、残存機能を伸ばすと共に関連機能も活発化させる効果がある。

7.孤独にしないこと

頭を使わないと衰える「廃用症候群」や「退行現象」が深刻化する。おとなしくて問題も起こさない高齢者はつい忘れがちになるが、対人関係を作ることが大切である。

8.重要なことを簡単にパターン化すること

パターン化して、目の前で繰り返して教える。新しいものから忘れやすく、単純なものより複雑なものの方が忘れやすい。

9.良い点を認めて、よい付き合いをすること

あれもだめ、これもだめと欠点だけを拾うと限りなく厄介者になるが、良い点を見出すと良い付き合いが出来る。

10.高齢者の「今」を大切にすること

認知症高齢者は過去が消失し未来が考えられないため、「今」の瞬間を生きている。従って「今」が大事であり、「今」を安心して生活することが大切である。また「存在不安」を取り除いていく努力も必要である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

勉強会 ・認知症 (2)

認知症の症状

中核症状: 必ずみられるもの。「記憶障害」 「判断力の低下」

周辺症状: 人によりさまざま。      
        怒りっぽい、不安、異常な行動など。

周辺症状のいろいろ

・異食・過食 :食べられないものを口に入れる異食、
         食事をしても「おなかがすいた」と訴える過食

・抑うつ状態 :意欲の低下(何もしたくなくなる)、思考の障害(思考が遅くなる)
         という、うつ病と似た症状があらわれる。
         うつ病では気分や感情の障害(悲しさや寂しさ、自責感)を
         訴えることがあるが、認知症では少ない。                                  

・介護への抵抗:入浴を嫌がる。衣服の着脱が苦手、浴室で転ぶかもしれない
          不安、水への潜在的な恐怖感など。

・妄想 :「もの盗られ妄想」が多い。「財布や通帳を誰かが盗んだ。隠した」
      被害妄想。「嫁がごはんに毒を入れた」
      嫉妬妄想。「夫のところに女が来ている」など、
      最も身近な家族が対象になることが多い。

・幻覚 :幻聴よりも幻覚が多い。「ほら、そこに子供が来ている」
     「今、男の人が何人か入ってきたのよ」

・不安 :自分が認知症であるという完全な病識を持つことはないが、
     今まで出来ていたことが出来なくなる、物忘れがひどくなってきている、
     などの病感があることは多く、不安や焦燥などの症状が出現する。
     それに対する防衛的反応として妄想がみられることもある。

・依存 :不安や焦燥のために依存的な傾向が強まることがある。
      一人になると落ち着かなくなり、常に家族の後ろをついて回る
      と言った行動があらわれることがある。

・徘徊 :初期には新しい場所への道順が覚えられない程度だが、
      進行に伴い、自分の家への道など熟知しているはずの場所で迷い、
      行方不明になったりする。重症になると徘徊が多くなる。 
      アルツハイマー病に多く、脳血管障害による認知症では少ない。

・攻撃的行動 :型にはめようとすることで不満が爆発する。
          行動を注意・制止する時や衣服の着脱、入浴介助時に
          起きやすい。
          幻覚や妄想から二次的に生じる場合もある。   

・睡眠障害 :認知症進行とともに、夜間の不眠、日中のうたた寝が増加の傾向。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

勉強会 ・認知症 (1)

認知症とは脳の病気である

脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害が起こり、普通の社会生活が送れなくなった状態と定義されている。さまざまな症状により毎日の生活が困難になった状態。

「物忘れ」は自然な老化によって起こるもので、誰にでも起こるが、認知症は単なる物忘れではない。年齢を重ねるうちに「物忘れが増えてきたかな」と思うことは多いが、これは老化現象としての脳の神経細胞の減少によるものである。この通常の減少より早く神経細胞が消失してしまう脳の病気が、「認知症」である。


老化による生理的な健忘と認知症の比較

           老化による生理的な健忘            認知症
              ↓                  ↓

原因            :  加齢に伴う              病気による

健忘の内容 :  体験の一部             体験全体

進行      :     _               明らかに進行する

見当識    :     _                            時間・場所・人がわからない

物忘れの認識:    ある                 ない

日常生活への影響: 小さい                大きい  

人格水準  :     保たれる             低下する

精神症状・行動障害:  _              幻覚・徘徊・妄想など 

原因となる病気

認知症の多くは「アルツハイマー病」と「脳血管障害」によるものであるが、その原因となる病気はたくさんある。

・脳血管性の疾患 : 脳出血・脳梗塞など

・退行変性疾患 : アルツハイマー病・退行性核上性麻痺・                              
                           パーキンソン病・びまん性レビー小体病・ピック病・
            大脳皮質基底核変性症など

・内分泌・代謝性疾患 : 甲状腺機能低下症・下垂体機能低下症・
                ビタミンB12欠乏症・ビタミンB1欠乏症・
                ミトコンドリア脳筋症・肝性脳症・透析脳症・
                低酸素症・低血糖症・アルコール脳症・薬物中毒など

・感染性疾患 : クロイツフェルトヤコブ病・脳炎・髄膜炎・脳膿瘍など

・外傷性疾患 : 慢性硬膜下血腫・頭部外傷後遺症など

・その他 : 正常圧水痘症・多発性硬化症・神経ベーチェットなど  

[アルツハイマー病とは]

原因は不明。

脳内でさまざまな変化が起こり、脳の神経細胞が急激に減ってしまう。脳が病的に萎縮し、高度の知能低下や人格の崩壊が起こる。

ゆっくりと発症し、徐々に悪化していくが、初期の段階では運動麻痺や感覚麻痺などの神経症状は起きない。

本人に病気だという自覚がない。

症状としては、まず物忘れ。最初は古い記憶は保たれているが、新しい出来事が覚えにくく、忘れやすい。病気が進むと、物忘れのために生活に支障をきたすようになる。

また、判断力が低下する。さらに、時間・場所・人物の判断がつかなくなり、身体的に動けなくなる。

脳内では、・大脳皮質の著しい萎縮 ・老人斑、神経原線維の変化、神経の脱落 ・神経伝達物質の異常 が起きている。

脳全体、特に側頭葉や頭頂葉が萎縮していく。成人では通常1400g前後ある脳の重さが、発症後10年経つと800g~900g以下に減ってしまう。

[脳血管障害による認知症とは]

脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、その部分の脳の動きが悪くなり、そのため認知症になることがある。

症状としては物忘れ、頭痛、めまい、耳鳴り、痺れなど。

脳卒中の発作が起こるたびに段階的(階段状)に悪化することが多い。

障害の場所によって、ある能力は低下しているが別の能力は比較的大丈夫というようにまだら状に低下し、記憶障害がひどくても人格や判断力は保たれていることが多いのが特徴。また、症状は日によって差が激しいことがある。

脳血管障害による認知症の原因としては、脳梗塞の多発によるものが大部分(70~80%)を占める。脳血管障害により、脳の血流量や代謝量が減少し、その程度や範囲は認知症の程度と関係する。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月31日 (水)

勉強会 ・感染予防策「スタンダードプリコーション」

スタンダードプリコーション (標準予防策 Standard Precautions) とは

感染症の診断や推定に関わらず、すべての患者(利用者)のケアに用いるべき感染予防策。
汗を除くすべての血液、体液、分泌物、排泄物は感染性があるとみなし、また傷のある皮膚、粘膜は感染を受けやすいものとして、これらに接触する可能性がある場合に適応される基本的な対策。

[手洗い] 
・血液、体液、分泌物、排泄物(汗を除く)に触れた後。
・手袋を外した後。
・患者処置、接触の間。
・固形または液体石鹸を使用し、流水下で行う。

※固形より液体石鹸の方が良い。手洗い後は使い捨てペーパータオルで拭く。

※当施設ではやむをえず手洗いが出来ない場合はアルコール、ウエルパス、
 AP水(食塩水を電気分解して作った除菌水)を使用、使用後は手洗い。

※手荒れ防止に努める。

[手袋]
・血液、体液、分泌物、排泄物(汗を除く)に触れるとき。
・粘膜、傷のある皮膚に触れるとき。
・使用後は外し、手洗いをする。

[マスク]
・血液、体液、分泌物、排泄物(汗を除く)が飛び散って
 鼻、口を汚染しそうな場合。

[眼鏡、ゴーグル]
・血液、体液、分泌物、排泄物(汗を除く)が飛び散って
 目(顔面)を汚染しそうな場合。

[ガウン]
・衣服が汚染しそうな場合。
・汚れたガウンはすぐ脱ぎ、手洗いをする。
・ユニホームは清潔なものを着用する。

[器具]
・汚染された場合は、粘膜、衣服、他の利用者や環境を汚染しないように
 注意深く操作する。
・再使用のものは清潔であることを確かめる。

[リネン]
・汚染されたリネンは、粘膜、衣服、他の利用者や環境を汚染しないように
 操作、移送する。(埃を立てない。たたむ必要なし、丸めて出す)

[患者配置]
・環境を汚染させるおそれのある利用者は個室収容。
 (医師、本人、家人と相談の上)

[入浴]
・褥瘡のある人の入浴は最後にし、入浴前にシャワーで創面を洗浄後、
 入浴する。
・褥瘡の程度(目安)は、ステージⅢ、Ⅳ程度。浸出液が出ている場合。
・発赤、表皮剥離(薄く剥けている程度)なら不要。
・血液媒介型感染症のHBV(B型肝炎)、HCV(C型肝炎)においては、
傷のある皮膚があり出血がある場合、上記と同様とする。
・感染症(疥癬、食中毒など)が疑われる場合は、医師と相談の上で最後にする。
 浴槽につからず、シャワー浴やかけ湯とする。
 
※褥瘡に感染している菌(MRSAに限らず緑膿菌など)は、
  入浴により他人に感染する可能性がある。

※疥癬は、入浴で感染することはほとんどない。
 入浴は皮膚同士が触れ合う機会は少ないと思われる。
 むしろ脱衣場で衣類が巻き上げた埃の中にヒゼンダニがいることが
 考えられる。
 脱衣籠を使用せず、脱いだ衣類や使用したタオルは
 埃を立てないように静かにビニール袋などに入れるようにする。
 疥癬及び疥癬の疑いのある人の入浴は最後にする。
 
[その他]
・針刺し事故対策
・環境対策(毎日清掃)
・自己管理をする。
・日常業務の中での環境整備を心がける。

※感染症予防に関してはこちらもどうぞ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月 6日 (木)

勉強会・ 高齢者と薬剤 (2)

[高齢者によく使用される薬]

1.睡眠薬

不眠症の定義 :毎晩の実際の睡眠時間の長短にかかわらず、
           翌朝覚醒時に対する不足感が強く、
           患者自身が身体的・精神的・社会生活上に
           支障があると判断している状態

不眠の原因による分類

1・身体的疾患に伴うもの・・・痛い、痒い、咳など
2・生理学的不眠・・・時差ぼけ、夜勤など
3・心理学的不眠・・・精神的ストレス、恐怖体験など
4・精神疾患に伴うもの・・・神経症、パーキンソン病など
5・薬理学的不眠・・・薬の副作用、カフェイン、覚せい剤、降圧剤の一種、
             喘息治療薬など

症状別分類

1.入眠障害・・・就寝してから眠りにつくまでの時間(入眠時間)が延長する
2.中途覚醒・・・入眠後、起床時に覚醒するまでの間に途中で覚醒するもの
3.早期覚醒・・・十分に睡眠がとれていないのに朝早く目覚めてしまい、
           その後再入眠できないもの
4.熟眠感の欠如・・・睡眠が浅く、自覚的にぐっすり眠った感じが得られない
5.熟眠時間の短縮・・・一夜の全睡眠時間が短いもの


睡眠薬の分類


ベンゾジアゼピン系が主

1.超短時間作用型・・・マイスリー、アモバン、ハルシオン
2.短時間作用型・・・レンドルミン、デパス、リスミー
3.中間作用型・・・ベンザリン・ネルボン、ユーロジン、ロヒプノール・サイレース
4.長時間作用型・・・ドラール

高齢者は持ち越し効果や蓄積を起こしやすいため、作用時間の短い睡眠剤を第一選択薬とする。

超短時間作用型で4~6時間と言われているが、はっきりした時間の定義は定まっていないそうだ。


転倒の危険性

 ・睡眠薬には催眠鎮静作用に加えて筋弛緩作用がある。
 ・血中濃度低下による途中覚醒、それ自体が転倒のリスクとなる。
 ・最高血中濃度到達時間の短い薬剤ほど急激に血中濃度が変動し、
  リスクが高くなる。

 ・その他転倒を起こしやすい薬剤→
    めまいを引き起こすもの(降圧剤)、
    脱力・筋緊張低下を引き起こすもの(てんかんの薬)、
    パーキンソン症状(振戦)を引き起こすもの
    (吐き気止めのナウゼリンなど)


睡眠剤の中止

 反跳性不眠(以前より顕著な不眠)、
 退薬症候(退薬時の不安、焦燥感、不眠、発汗、振戦、痙攣など)
 が現われる。
 短時間作用型は中止しにくいというデータがある。
 中止方法・・・量を減らす、投与間隔をあける。




2.下剤


便秘の原因 
(常習性便秘)

1.弛緩性便秘・・・腸管の蠕動運動・緊張の低下
           高齢者、長期臥床者、食事摂取不足など

2.直腸性便秘・・・トイレにいくことを我慢することによる便秘
           女性、忙しい人、用便に不都合な仕事、
           直腸・肛門疾患のある人、浣腸の乱用

3.痙攣性便秘・・・腸管が過度に緊張し、糞便の転送が出来ず便秘となる。
           ウサギの糞状。便秘と下痢が交互に起こる。
           過敏性腸症候群、消化性潰瘍、胆道疾患

4.薬剤性便秘・・・抗コリン剤 、抗うつ剤、抗不安剤、向精神薬、
           麻薬、鎮痛・鎮咳薬、制酸剤など



下剤の種類

1.塩類下剤・・・習慣性少ない。長期投与可能
          腸管内に水分を移行させ、腸管内容が軟化膨大化し、
          その刺激により便通促進効果を現す。
          カマ・マグラックス

2.膨張性下剤・・・習慣性なし。
            寒天

3.大腸刺激性下剤・・・直接大腸の粘膜を刺激。短時間使用が原則
              センナ・アローゼン、プルゼニド、ラキソベロン、
              レシカルボン座薬

強力な下剤の連用による脱水・低カリウム血症、習慣性カタル症候群に注意する。

   
 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

勉強会・ 高齢者と薬剤 (1)

加齢による臓器機能の低下、胃液PHの上昇、体内水分量の減少、脂肪含有率の増加など、高齢者には特有の特徴があり、薬剤を使用するにあたっては慎重にならざるを得ない。また、これらの個人差が大きいため、さらに複雑となる。

高齢者の臨床上の特色は、副作用や相互作用の発生の可能性が高く、薬剤使用上の重大な問題点になっている。

[高齢者の特徴・注意点]

1.薬剤使用の問題点

 ・服用薬剤が患者のADL(日常生活動作)に悪影響を与え、
  さらには制限をきたしていること

 ・服用薬剤の副作用や相互作用に原因する患者の症状が
  新たな疾病の発生と受け止められる可能性

  向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗痙攣薬、抗パーキンソン薬、
  脳循環代謝改善薬、抗ヒスタミン薬、血圧降下薬、経口血糖降下薬など、
  日常の治療に頻繁に使われている薬剤である。

  薬剤の副作用や相互作用の症状と気づかれないだけでなく、
  患者の新たな疾病の発生と判断されることにより、
  新たな薬剤が追加投薬される危険性を含んでいる。


2.病気の特徴

 ・一人で多くの病気を持つ(複合疾患)
  これらがお互い影響しあって新たな障害を生じる。

 ・症状が典型的でないことがある
  無痛性心筋梗塞、無熱性肺炎、腹痛の軽い胃潰瘍穿孔など

 ・病気が慢性化する
  臓器の老化による障害のため、早期に完治する疾患は比較的少なく、
  多くの疾患が慢性疾患であり、長期にわたり治療を継続する必要
  がある。

 ・病気の治療・予後に社会的因子が関与する
  慢性疾患の治療に際して、治療を継続する場所がどこであるのか、
  そこでどのような治療や介護が受けられるのか、
  また、家庭での介護は可能であるのか、
  主たる介護者が誰であるのか、
  などの因子が患者の予後に大きく影響する。

 ・多種類の薬を服用することが多い


3.高齢者の心理変化と疾患に対する意識の変化

 ・老化に伴う心理面の変化
 ・知能の変化
 ・人格の変化
 ・不安、抑うつ状態が多い


4.高齢者の疾患に対する判断と行動の特徴

(1)健康状態に対する考え方

  健康に対する期待感が減退する
            ↓
     身体的異常を特に異常と自覚せず、症状を過小評価する

  現在の身体状況に依存する
            ↓
     寝たきりの場合、立位や歩行意欲を持たない

(2)異常症候の発見の遅れ

  異常を年齢のせいにする(家族、患者ともに)
  異常を感じても行動しない、できない
  痴呆症状を合併する場合、表現が不的確、家族も信用しない


5.高齢者の薬物療法

 薬物を服用する・・・(1)吸収(2)分布(3)代謝(4)排泄 の4つの過程がある
             →薬物動態という

(1)薬の消化・吸収
 
  経口的に摂取された薬は唾液と共に嚥下されるが、
  唾液分泌量が低下した高齢者では薬が食道に停滞することがあり、
  食道粘膜に障害を与えることもある。→コップ一杯の水で服用、
                         上を向かずに下を向いて服用

  高齢者では胃粘膜の萎縮が進み、胃酸の分泌が減少し、
  胃液の酸度が低下する傾向がある。→酸で溶ける薬に影響

  また薬は胃から小腸に送られて吸収されるが、
  胃排出時間が延長する傾向がある。
  小腸への移行が遅れる→最大血中到達時間(Tmax)が遅れる

(2)体内分布 :吸収された薬物は血流を介して組織に分布

  身体の総水分量が減る→水溶性薬は溶けない
  体脂肪が若年者より増える→脂溶性薬は効果が持続する
  筋力量低下
  血中アルブミン量低下→アルブミンに結合する薬は結合せず
                 効果が強く出る

(3)代謝  : 体内で分布した薬物は大部分肝臓で代謝される

  高齢者の肝臓の生理機能低下
  肝血流量(薬を肝臓に送る)、肝重量、酸化酵素(チトクロムP-450)活性、
  胆汁流量(薬を排泄する胆汁分泌量)の低下が見られる。

(4)排泄  : 水溶性薬物や代謝物は腎の糸球体ろ過、尿細管分泌を受けて
         排泄される

  加齢により腎血流量、糸球体ろ過率、尿細管分泌能、再吸収は
  直線的に低下する。


高齢者は同じ投与量でも血中薬物濃度が大になり、効果が増大、副作用が発現する。

多剤併用により併用薬物間の相互作用が薬物動態に影響を与える。→単独では加齢の影響がない薬物でも、併用投与の際は思わぬ作用増強が顕れる。

生理機能の変化には個人差が大きい。

よって個々の腎機能、栄養状態、心拍出量を含めた全身状態を勘案しながら考慮することが大事である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月12日 (木)

勉強会・新しい介護保険制度がめざすもの

平成18年4月に改正された介護保険制度について、どのような視点・背景に基づいて改正されたのか、具体的にどこがどう変わったのかを整理してみる。

[改正を考える視点]

1.明るく活力ある超高齢社会の構築

2.制度の持続可能性

3.社会保障の総合化

 背景には急速に進行する少子高齢化&介護保険給付費の急増がある。
 12年と17年を比べると、保険料を払う「被保険者」が1.2倍増に対し、
 給付を受ける「認定者」は約2倍に増えている。

           H12年(介護保険スタート)15年     17年

高齢者数     2165万人   2398万人   2524万人
伸び率                 110.8%    116.6%
認定者数      218万人    348万人    417万人
伸び率                 159.6%    191.3%
認定率        10.1%          14.5%     16.5%

 サービス利用者が増えれば給費がふくらみ、総事業費も増大する。
 このままでは保険料の大幅な上昇が見込まれ、
 「制度の持続可能性」が問題となってきたため、改正にあたっては
 総事業費を抑制すること、保険料の上昇に配慮すること、
 低所得者へ配慮することが焦点となった。
 

このような背景の中で、どのような社会を作ろうとしているのか、国民の安心である社会保障制度(年金・医療・介護など)が縦割りになっている現状を、将来的に総合化してどう再構築するのか。

今回の制度改革は、給付と負担、総事業費の抑制、といった制度設計の視点が前に出ているように見える。本来は、制度改正の結果、国民はどう変わるのか、国の政策は、市町村の実施体制は、サービス提供者は、従事者は・・・と多角的視点で見、決定していくべきものである。今後実施されていく過程をしっかり見ていかなくてはいけない。


[改正の具体的なポイント]

1.予防重視型システムの確立

課題: ・軽度者(要支援・要介護1)が大幅に増加している
     ・軽度者に対するサービスが状態の改善につながっていない

対応: 新予防給付を創設。同時に
    「要支援・要介護になるおそれのある高齢者」(特定高齢者)の
    介護予防などのために地域支援事業を創設。
    それらをマネジメントする機関として「地域包括支援センター」
    を創設。

   ※ 要支援1・2と分類を増やしたことできめ細かくケアし(給付を抑え)、
     効果的な介護予防をはかる。  

   ※ 予防給付対象者が増え、代わりに要介護者が減るため、
     給付上減額が全体で30%削減できることになった。

2.施設給付の見直し(入所施設系サービスの抑制)

課題: ・在宅と施設の利用者負担の公平性 
     (
これまでは同じ要介護状態でも、在宅生活者のほうが
      施設入所者よりも自己負担額が大きく、約2倍の差があった)

     ・介護保険と年金の調整
     (給付が重複していた。入院・入所中の高齢者の場合、
      居住費・食費などの基礎的な生活費用は年金制度でカバー
      されているにもかかわらず、介護保険からも給付されていた
      ため、給付額に重複部分が生じていた)

対応: 介護保険3施設(特養・老健・療養型施設)の利用者から
     居住費・食費を、ショートステイ利用者から滞在費・食費を、
     デイサービス・デイケア利用者から食費を新たに徴収する。
     (結果として、施設利用率を対象者の41%→37%以下に
      引き下げようとしている)
     ただし、低所得者には「負担限度額」を設定し、
     平均的な費用(基準費用額)から負担限度額を差し引いた分を
     介護保険から給付する。

  ※ 低所得者に対する配慮の視点。
  ※ 施設入所待機者が増加している中で、コスト面を重視した施設抑制政策
    は一歩間違うと制度施行前の介護地獄や社会的入院を再び激化させる
    危険性がある。
    ちなみにうちの入所者(老健)の場合、食費1830円/日
     今まで月に7~8万の利用費が、住居費食費プラスで13~15万となった。
     約2倍!

    在宅の場合、高齢者1人の食費に1日1830円もかけているだろうか?
     こうなるとやはり施設はお金がかかるということになる。
     全国で約3000人、施設から退去しているという。

3.新たなサービス体系の確立

課題: ・ひとり暮らし高齢者や認知症高齢者の増加
           ・在宅支援の強化
     ・高齢者虐待への対応
     ・医療と介護の連携

対応: 身近な地域で安心して暮らしていけるように、
    「地域密着型サービス」を創設。
    市町村が事業者の指定・監督を行うため、地域の実情に合った
    在宅サービスの充実が進み、施設入所の代替にもなると期待される
    (市町村の力量が問われる)。
    地域密着型サービスには、
    ・小規模多機能施設 ・小規模な特養ホーム ・老健施設 
    ・認知症グループホーム ・夜間対応型訪問介護など。
    また、中核機関として地域包括支援センターを創設し、
    総合的な相談・支援、権利擁護(虐待への対応など)、総合的な
    サービスネットワークやケアマネジメント体制の構築などの機能を担う。

4.サービスの質の確保・向上

課題: ・指定取消事業者が増加するなか、質の確保が必要
     ・利用者によるサービスの選択を通じた質の向上
     ・実効ある事後規制ルール(参入後の検査などの強化)
     ・ケアマネジメントの公平・公正の確保
     (同一事業所のサービスのみを使うなどを防ぐ)

対応: 介護サービス事業者に事業内容の情報開示を義務づけ、
     利用者が選択する際に参考にできるようにした。
     また、事業者規制についても見直された。

 ※  第三者機関による調査→公表
    事業者指定の更新制(6年間)の導入。欠格要件も強化された。
    ケアマネジャー資格の更新制
    (5年ごとに研修を受講、修了しないと業務に従事できない)
    ケアマネジャー標準担当件数の引き下げ(50件→35件)
    不正に対する罰則の強化
    

5.負担のあり方・制度運営の見直し

課題: ・低所得者への配慮
     ・市町村の事務負担の軽減
     ・市町村が、より主体性を発揮できる保険運営

対応: ・第1号保険料の見直し
      低所得者の負担軽減のため、保険料の設定を
      これまでの5段階から6段階に増やした。
     ・要介護認定の見直し
      区分が変更された。認定調査は原則として市町村が行う。
     ・保険者機能の強化
      保険者である市町村の権限が強化された。
      事業所への立ち入り検査など、指導・監督も強化された。
     ・負担割合の見直し
      施設の給付費については、国25%、都道府県12.5%→
      国20%、都道府県17.5%とする。

  ※ 市町村が実施主体となることの意味は大きいが、措置制度の廃止
    によりサービス提供から撤退しているため、混乱が生じると思われる。
    市町村の力量と制度設計能力が問われる。

6.介護サービス基盤整備のあり方の見直し

課題: ・住み慣れた地域での生活継続が可能な「介護福祉基盤」の整備
     ・地域再生のための補助金改革

対応: 地域密着型サービスのための財源が地域介護・福祉空間整備交付金
     として創設された。
     市町村は事業計画の策定にあたってこれら交付金を見込んで、
     より主体的に施設整備などの基盤整備ができるようになった。

7.介護報酬額の引き下げ

 在宅1%、施設2.4%減。
 軽度者を引き下げ、重度者に配慮する仕組みに変えたことにより、
 軽度者の数のほうが多いため、全体的に引き下げが実現した。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年5月24日 (木)

勉強会・褥瘡(じょくそう)をつくらない!

Ⅰ・ 褥瘡の発生要因

1)皮膚および皮下組織が長時間圧迫されることで血流障害を起こし、壊死を起こす。

 高齢者の場合、可動性の低下、活動性の低下、知覚障害、運動障害
 などがあり、自力での体動が困難となり、同一姿勢で日常を過ごすことが
 多くなる。すると同一部位に持続的な圧力が加わり、抹消血管が遮断され
 酸素と栄養が組織に行き渡らなくなり、壊死に陥り、褥瘡を発生する。

2)ずれ、、摩擦、圧迫

3)体型や環境

 ・痩せ型で骨が隆起している
 ・栄養状態が悪い
 ・片麻痺があり一方向しか向けない
 ・貧血や浮腫がある
 ・尿便失禁状態
 ・発汗が多い
 ・身体の一部が常に湿っている
 ・皮膚の弾力性に欠けている


Ⅱ・ 皮膚の構造

 皮膚は表皮・真皮・皮下組織の三層からなる。
 表皮はわずか 0.2mm の厚さ。
 真皮は血管・神経に富み、皮下組織は脂肪細胞や太い皮静脈、皮神経が走っている。


Ⅲ・ 褥瘡のできやすいところ(好発部位)

Photo_37



仰臥位・・・後頭部・肩甲骨部・肘頭部・
       仙骨部・踵骨部





Photo_38


側臥位・・・耳介部・肩峰突起部・肋骨部・
              大転子部・膝関節顆部・踵骨部・
       外果部・内果部(内外くるぶし)




Photo_39


座位・・・臀部・大腿部・腓腹部(ふくらはぎ)
     踵部・肘部・背椎部







Ⅳ・ 創の深さ (4段階のステージで表す)

Ⅰ度: 赤くなっている(発赤状態)
     初期に見られる。
     圧迫を取り除いて30分経過しても赤みが消えない状態。

Ⅱ度: 発赤・腫脹、硬結・水疱形成

Ⅲ度: 皮膚の壊死・皮下組織の露出

Ⅳ度: 皮下脂肪、筋肉、骨等の支持組織まで及ぶ損傷

・高齢者の場合、症状が顕著に表れないこともある。軽い発赤とか浅い潰瘍と思って軽視すると、深いところにポケットを作っている場合もある。ポケットは奥のほうへと伸びる。

・また、体位変換時のずれ、リュウマチによる関節の変形、外反母趾などにより出来てしまう。

・服薬等で感染しやすい環境にあることもある。

・発熱、倦怠感の訴えで発見することもある。

・痛み、かゆみ、滲出液、感染による膿汁の分泌、食欲不振などの症状も見られる。

◎着脱や排泄介助時に、皮膚の異常に気づくことがとても重要となる。


Ⅴ・ 褥瘡の予防

1)除圧、減圧

 ・クッションや褥瘡マット、エアマットなどを使う。円座は禁!

 ・体位変換は「30度側臥位」とし、体圧を分散させる。
  変換時は引きずらないこと。声かけして利用者に協力を得る。
  協力が得られない場合は、職員2人で行う。
  無理に行うと摩擦やずれが生じて皮静脈を傷つける。

Photo_40
ベッドを上げる時は、利用者の股関節の位置を確認し、ベッドの第2屈曲部と合わせる。

上体を上げたら必ず「背抜き」をすること。

日常寝たきりや自力で体位変換できない人は30度以下にする。

ベッドを上げる時は足側を先に上げる。その後に頭側を上げる。下げる時も足側から行う。ずれを少なくするためである。頭だPhoto_41けを上げると身体が下にずれてしまうので、必ず足側も上げること。

骨に隆起が目立つ人の場合(円背)、柔らかいクッションを使用したり、あらかじめドレッシング材(フィルム状のもの)を貼って予防に努める。

背抜き・・・頭側を上げた後、おじぎをするように上体を少し倒し、衣服のシワをのばすように手を差し込み、ベッドと身体の間に隙間を作る。これにより背部~尾骨部のずれの力を解除する。また下肢も片足ずつ持ち上げて、大腿後面~坐骨部のずれの力を解除する。

体圧分散・・・骨盤30度側臥位

皮下組織の血液は圧力に弱く、圧力が脈拍を上回ると循環に障害を生じてしまい、皮下の軟部組織と皮膚の局所の阻血により、炎症や浮腫の症状が見られるようになる。

安静時、正常な皮膚血流での血圧は細動脈で 32mmHg と言われている。最近の研究では約 32mmHg の圧迫力が同一部位に持続的に加わると、圧迫部の皮膚は約2時間で壊死に陥ると言われている。

痩せ型の人の体圧は高く、褥瘡リスクも高い。1時間おき又は2時間待たずに体位変換が必要になる。皮下脂肪が少ない人は、車椅子に座ってもせいぜい1時間程度に止めるか、30分おきに立って座り直しをする。あるいはポジショニングを行うことで圧迫時間を減らせる。


2)スキンケア

 ・常に皮膚の清潔に努め、弱酸性の石鹸を使用して洗う。尿失禁の多い人は洗浄する。

 ・清拭タオル等で皮膚を強く擦らない。便をタオルでいきなり拭くのではなく、まず微温湯で洗い流す。洗浄後はよく乾いたタオルで押さえるようにして拭き、保湿剤(白色ワセリン、アズノール、オリーブオイルなど)を塗布して撥水させる。

 ・発赤部のマッサージは禁!

3)栄養状態を整える

 栄養面では、たんぱく質・ビタミン・ミネラル・亜鉛も必要。

 (当施設ではアルブミン 3.6g/dl以上、ヘモグロビン10.0g/dl を目安としている)



Ⅵ・ 皮膚の観察

健康的な生活をしている人は、無意識のうちに常に体重移動を行っている。睡眠中でも15分に一度は寝返りをして重心の位置を変えている。
一方、身体に障害を持っていると、活動性の低下から自力での体位変換が困難となり、除圧することも減圧することも出来ない。

身体介護として排泄、入浴、更衣、体位変換を行うときは、皮膚の観察を意識し、皮膚の色・乾燥・湿潤・腫れ・痒みなどを観ること。

同時に身体機能状態を観察し、発生を予測する状態か否かを判断する。

また、利用者の安全と安楽を確保した対応が必要となる。

異常に気づいたら医療チームと連携を取り、予防に努める。

失禁の状態、栄養状態、体型などを介護者自身の目で確認し、体位変換時間の決め方やクッションの選択、褥瘡マットかエアマットかなどを職員みんなで考えることで予防ができる。

褥瘡をつくってしまうことは、看護介護のプロとして恥。異常の早期発見で、職員にとっても負担の少ないケアを目指す。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年4月19日 (木)

勉強会・介護老人保健施設のリスクマネジメント (2)

施設全般にかかわるリスク

法令・倫理違反リスクについて、最も多いのは介護報酬の不正請求である。

「指定基準」の尊守も非常に重要である。指定基準には細かい点までルールが決められており、違反した場合はマスコミなどが取り上げやすいという特徴がある。

介護事故では職員に落ち度があったかどうかの判断は難しいが、指定基準は比較的形式的な基準であることから違反が明瞭であり、従って取り上げられやすい。

保守事故リスクも重要である。ハード面が原因の事故では施設に重い責任が問われる。設備に欠陥があった場合、その欠陥の過失は業者でもそのような欠陥ある設備を保有している施設が責任を問われる。



入所者との関係でのリスク

苦情・訴訟リスクについて。利用者家族側からの苦情対応のとき、往々にして、言ってきた内容より言ってきた人に着目することが多い。「この利用者は変わった人なんです」、「この家族は変な人なんです」・・・。これは苦情の対応としてよくない。

苦情対応の時には、誰が言ってきたかではなく、何を言ってきたかに注意すべきである。

変な人、難しい家族と言われる人もいるかもしれないが、言っている内容が正しいことはある。逆に、立派な人が言ってきても内容が事実に反することもある。何を言ってきたか、それを事実に照らして判断する必要がある。

何回も苦情を言ってくる人がいる。こういう場合、「被害妄想的な」と形容されるが、何度言ってきても、その内容が事実かどうかに着目して対応することが大切である。

ただし、何度も苦情が出されるが、事実確認がはっきり出来ないということもあるだろう。そういう場合は、苦情がそれだけ出てくる背景に何があるかに関心を払う必要がある。家族に不信感を抱かせているのは何なのかという観点から問題解決を図る必要がある。



身体拘束が認める要件を改めて確認しておく

身体拘束をしている場合、なぜしているのかと聞くと、殆どの施設が「家族の了承を得ています」と言う。しかしこれは間違った考え方である。厚労省の身体拘束廃止マニュアルにも、家族の同意があれば身体拘束できるとはどこにも書いていない。

身体拘束できるかどうかは、誰かの同意によってではなく、客観的に緊急やむをえない場合に限るということである。そして、そういう場合であっても、このことを事前に説明しておく必要がある。

なぜこういうふうにするか。まずその手順を踏むことで、必要な拘束であるかを考えるきっかけにする。もう一つは、利用者家族が不信感・不安感を持たないようにするためだ。

身体拘束したときに家族に連絡しているだろうか。また、拘束を解除したことを連絡しているだろうか。

家族は家族の視点で見ているということを認識する必要がある。家族にすると、家庭での24時間365日の濃密な観察から、施設だと(たとえ毎日面会に来ていても)点で観察することになり、どういうサービスが行われているかが見えにくくなる。そういう不安があることを知るべきである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

勉強会・介護老人保健施設のリスクマネジメント (1)

平成18年11月30日に開催された全老健・管理者研修会における高村浩弁護士の講義のダイジェストです。
レジュメを入手したので、その中から現場職員も知っておいたほうがいいと(私が)判断した部分を抜粋して書いています。

介護領域におけるリスクマネジメント

 介護の領域におけるリスクマネジメントとは、基本的には、将来の出来事が不確かだというところから生じる作業である。

将来発生するであろう不利益な出来事に対して、予測をし、予測に基づいて回避を図る。

ただし、予測して回避を図ろうとしても、たとえば転倒事故などは完全に防ぐことは出来ない。これを完全に防ごうとすると身体拘束しかないということになってしまう。そこで、発生してしまった損害については出来るだけ最小化を図るというのが重要になる。

 二次的な紛争を防ぐこともリスクマネジメントの重要ポイントである。現場では意外に二次的な紛争が多い。事故そのものではなく、事故後の対応など、事故に付随した問題についての紛争である。

たとえば、事故が発生したことについて家族に連絡がなかった、あるいは連絡が遅れた、連絡した時の職員の言動に家族に不信感を抱かせるようなことがあった・・・。これらが紛争を深刻化させてしまう。

80,90歳になる親の、もう60歳を超えているような子が、なぜ裁判までやってでも解決したいとまで思うようになるのか。それは事故そのものと言うより、事故後の説明が不十分であったり、対法がまずかったことがきっかけとなって、「どうも自分の親は大事にされていなかったのではないか」と思うようになり、それが利用者家族自身の人格やプライドを傷つけられたと感じるからだ。

 このようにならないためにも、さらに、発生した出来事についてデータを収集し、将来の不利益な事故について予測を図ることが重要で、こうした一連の循環する活動がリスクマネジメントといえる。

①不利益の可能性(リスク)を予測・評価
        ↓          
②そのリスクの回避を図る
        ↓
③それでも発生したリスクを最小化する
                  ↓
④同時に二次的な不利益の発生を防止
                  ↓
⑤不利益のデータを収集・分析してパターンを把握し、①に活かす。
                  ↓
①へ と循環する


トータルリスクマネジメントの考え方

・すべてのリスクを対象とする

・事業者・事業所の全役職員が、その地位と役割に応じてリスクマネジメントに取り組む

・「リスクマネジメントが適切に行われない」というリスクも含む


施設が抱えるリスクとは・・・

①施設全体にかかわるリスク

 経営判断過誤リスク、経営環境変化リスク、業務過誤リスク、
 法令・倫理違反リスク、保守事故リスク、災害リスク、
 盗難などの犯罪被害リスク、風評リスク、
 情報管理過誤リスク

②入所者との関係でのリスク

 表示過誤リスク、説明過誤リスク、意思確認不足リスク、
 介護事故リスク、食中毒事故リスク、感染症リスク、
 高齢者虐待リスク、苦情・訴訟リスク、
 入所者側の債務不履行リスク

③職員との関係でのリスク

 労災リスク、セクハラリスク、労使紛争リスク

④他事業者などとの関係でのリスク

 他の事業者の誤解、連携困難、地域の誤解、連携困難

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月14日 (土)

勉強会・ 誤嚥、誤飲のリスク管理は日ごろから

老健施設で起こる事故のうち、生命に関わる重大事故となりやすいのが「誤嚥・誤飲」の事故である。

事故が起こる状況

・食事等摂取時の誤嚥・誤飲

・異物の誤飲(異食等)

・痰による気道閉塞

加齢とともに、食べ物を噛み砕き混ぜ合わせる咀嚼機能や嚥下機能は低下する。また認知症に麻痺等による嚥下障害が重なるケースもあり、呑み込む際に気管に入ってしまったり、通常より大きなものや食べ物以外のものを口にするなどの事故が起こりやすい。

食事時の姿勢、ペース、量、食べ物の形態に十分配慮を

・食事は覚醒時に時間をかけてゆっくり行う。リラックスできる環境を作る。

・食べ物が気管に入らないよう、利用者の姿勢に気をつける。

 座位姿勢を整え、車椅子の場合でも足を床に下ろす。座位が取れればなるべく車椅子から普通の椅子に移ってもらう。

 体幹と頚部を正中位に保ち、不自然な頚部の伸展を避ける。頭が後ろに倒れないように枕やクッションなどを後頭部に入れて、顎を引く。

・食事介助者の方法・技術が事故の要因となることもある。利用者の食事のペースと量に配慮する。急がせたり焦らせたりしない。

・食べ物や飲み物の形状や性状、大きさなどに配慮する。

 呑み込みにくいもの、喉に詰まりやすいもの、誤って気管に入りやすいものが含まれていないか。

 要注意・・・パン・餅・こんにゃく・カステラ・バナナ等


異物を口にしないよう環境を整え、家族、面会者にも理解・協力を促す

利用者同士でお菓子をやりとりしたり、家族・面会者の差し入れでも事故発生の可能性がある。

利用者の身の回りに注意するとともに、差し入れの際に誤飲誤嚥が起こりやすいものを持ち込まないよう、家族・面会者に理解・協力を求める。

異食への対応では、過去の行動についてもしっかり把握し、身の回りや行動範囲を点検、パンの袋など置かないようにするなど、予防には環境整備が大切となる。

それでも誤嚥・誤飲してしまった!という時の対応については、カテゴリー「勉強会」の、「慌てない!緊急時の対応「誤嚥」「誤飲」 」(2005年8月)へ。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年1月17日 (水)

勉強会・水虫

水虫とは

白癬菌というカビが皮膚に付着し、侵入すると起こる感染症。
出来る場所によって名前が違う。

頭髪・・・頭部白癬(シラクモ)
内股・・・股部白癬(インキンタムシ)
手 ・・・手白癬 (手の水虫)
爪 ・・・爪白癬 (爪の水虫)
顔から足の甲・・・体部白癬(タムシ、ゼニタムシ)

症状やタイプ

・足の指の間が白くただれたり、皮がむけたりする。むずがゆい。(指間型)
・土踏まずや足の縁に赤みを帯びた小さな水疱が多発。かゆみが強い。
 皮膚が剥け、他の部位に新しい水疱ができて少しずつ広がる。(小水疱型)
・爪が白く濁ったり厚くなったり、もろくぽろぽろと欠ける。(爪白癬)
・足の裏、特に踵の角質が硬く、表面がゴワゴワになって白い粉がふいたように
  なる。(角質増殖型)

治療

白癬菌を殺す抗真菌剤が中心となる。抗真菌剤には塗るタイプの外用薬と内服薬があり、症状やタイプにあわせて処方する。爪白癬や角質増殖型には外用薬は浸透していかないので、内服薬を使う。
(内服薬は定期的に検査が必要。コストが高いので当施設では使っていない

予防

・感染源を避ける・・・複数の人が使う履物やマットを共有しない。
・清潔にする・・・足や指を石鹸でよく洗い、汚れを落とす。
・乾燥させる・・・足を洗った後は水分をよく拭き取り、乾燥させる。
・通気をよくする・・・通気性の良い靴や靴下を履き、時々靴を脱ぐ。


※爪の正しい切り方

爪はただ短く切ればよいのではなく、指先よりも1mmぐらい長めにしておく。
特に足の爪を切りすぎて深爪にすると、爪の側縁が周囲の皮膚を傷つける陥入爪(かんにゅうそう)になることがある。
爪の先端の角をある程度残すように切り、角が皮膚に食い込まないように気をつけること。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

勉強会・カンジダ

カンジダとは

カンジダ菌というカビが原因。このカビは人間の身体には常に存在しているものだが、注意していないと手に負えないほど繁殖し、体中に広がる。腸管、膣内、耳、口、鼻、皮膚、足指の爪、手の爪を冒す。
いくつかの状況(ex.口腔カンジダ症の乳児が母乳を飲んで母親に感染)を除けば、うつりやすい病気ではない。

原因

身体の通常のバランスが崩れた時。じめじめと湿気を帯びた環境はカンジダの繁殖を促す。カンジダと診断されたら、カビの増殖を促すような糖分、イーストは避ける。

自覚症状

発疹、激しいかゆみ、過度の疲労、鼻づまり、喉の痛み、口内の白斑点、口内炎、膀胱炎、筋肉や関節の痛み、頭痛、下痢、腹痛など。
症状は広範囲に及ぶため、疑いがあれば医師の診察を受ける。


皮膚カンジダ症(カンジダ皮膚炎)

オムツかぶれがなかなか治らないことがある。そんな時よく見ると、普通のオムツかぶれとは違った発疹があるのに気づく。

症状

関節の内側、腋の下、股、おしりなど皮膚がこすれやすいところが赤くなり、薄皮が白くむけたり、小さい水疱や膿を持った膿疱が混じって赤くただれる。
健康な皮膚との境目がはっきりしていてその境目に小膿疱や薄皮の付いた小水疱が見られるのが特徴。
乳児の場合はオムツのあたる部分や太もものしわの中にできやすくなる。

治療

抗真菌剤の軟膏・クリーム(水虫の薬と同じ)を塗る。
すぐにやめずに根気強く塗ることが治療のコツ。

入浴時は石鹸でよく洗い、清潔と乾燥を保つ。オムツかぶれと思いステロイド軟膏を長く使っていると、皮膚の抵抗力が落ちて悪化する。かぶれがひどく、なかなか治りにくい時は受診する。


カンジダ膣炎

誰もが持っているカンジダ・アルビカンス(真菌)が膣内に繁殖して起こる病気。通常でも1割ぐらいの人は膣内にカンジダ菌がいるとも言われている。
健康な時は多少の菌が付着しても発症しないが、疲労や妊娠などで抵抗力の落ちている人、糖尿病や抗生物質を長期間服用している人などが感染しやすい。その他、季節の変わり目など体調の変化が出やすい時期も感染しやすい。
またホルモンバランスの関係で、生理の前後のみ一時的に症状が出る人もいる。

症状

外陰部への激しいかゆみ。膣内はカッテージチーズのような、お粥のような白いおりものでいっぱいになり、外陰部にも付着してただれる。特に強い臭いはない。慢性化した場合、おりものの量は減るが、外陰部のかゆみや痛みは残る。

治療

抗真菌剤の膣錠の使用や、クリームを外陰部に塗る。外陰部の炎症がひどい場合は、お湯で洗ってからクリームを塗る。3~4日で症状は軽くなり、2週間程度で治る。
治療中の石鹸による洗浄は、再発しやすくなるので注意が必要。清潔にすることは大切だが、石鹸で洗いすぎると膣の自浄作用が低下する。
カンジダ膣炎は再発しやすい膣炎で、身体の免疫力が低下すると再び炎症が起きる。

| | コメント (0) |