介護

2008年4月26日 (土)

誰も気づかない

・・・初めは、眠いのかと思った。

おとなしくて温和なMさん(70代男性)は朝からボ~ッとしていた。昨日の朝、トイレでの立ち上がりが少し不安定だったので気になったが、朝だから眠いのかと思った。おはようございますの声かけにもにこっと笑ってくれたし。

午前中入浴介助だった私は、そのままお風呂場へ行った。




午後はフロア残りだった。入浴から戻ってきたMさんは、食堂の席でウトウトしていた。

「Mさん、眠いですか? お風呂入って疲れちゃったのかな?」 ウンウンと頷いた。なんとなく気になりながらも、私は自分の仕事をこなしていた。

3時、おやつの時間、Mさんはおやつに手をつけない。お茶も飲まない。勧めても首を振る。「Mさん、おやつ食べないんですか? 眠いの?」 ウンウンと頷いた。

何か変だな・・・常勤スタッフに、「ねぇ、Mさんの様子、変じゃない? いつもあんな感じ?」と尋ねると、「そうよ」との返事。 

ふ~ん。こっちの言うことはわかってるし、目も焦点が合っている。元々口数の少ないおとなしい人だし・・・おやつは無理して食べなくてもいいしね。眠いのなら寝かせてあげようかと思っていると、幼馴染みだというお友達が面会に来られた。

30分ぐらいだったか、食堂でその友人と歓談されていたが、チラっと見る限り、話しかけるのはもっぱら友人の方で、Mさんは頷いたり微笑んだりしているだけ。

やっぱりおかしいよ・・・午前中のMさんはどんなだったのだろう。お風呂で湯あたりしただけじゃないような・・・だって、言葉を発しないもの・・・周りのスタッフに言ってもみんなバタバタと慌しく、誰もMさんのそばに行ってみようともしない。リーダーは新人につきっきりだし、主任ナースは会議中。

友人のかたが帰った後、私はトイレを済ませてから寝かせてあげようと思い、車椅子をトイレに誘導した。Mさんは朝より立てなくなっていた。左へ大きく傾いた。急いでナースに報告した。

バイタルチェックしていたナースに、どうですか?と聞いたら、

「どうもこうも、血圧も心拍数もすごいことになってるよ。心電図、心電図!」

急いでベッドに運ぶと、横になったMさんは何度も嘔吐した。



そこからフロアが一気に慌しくなった。

ドクターが呼ばれ、会議中だった主任が戻り、ナースが走り回った。私たちは主任から聞き取り調査された。フロアでのMさんはどんな様子だったか、入浴時はどうだったか、誰がいつ、異変に気づいたのかetc...

救急車が呼ばれ、Mさんは搬送されていった。





ここには普通に見えていてもいつ何が起こってもおかしくないような、要注意のかたが何人かおられる。スタッフ特にナースは、そういうかたには常に注意を払っているが、Mさんは安定していただけに、誰も異変に気づいてはくれなかった。

あとで聞くと、みんな何か変だなとは感じていたらしいが、誰もそれを口にしなかった。前日の記録を見ると、「1日ウトウトしておられる」と書いてあった。もしかしたらその頃から異変は起こっていたのかもしれない。普段おとなしい人だけに見過ごされてしまったということか。

なんで、誰も気づかないのよ! アンタら、それでも常勤か! 

腹が立った。(なんかこの頃、怒ってばかりいる私^^; カルシウム不足か?)

いやいや、私も朝に感じた「変だな」を、入浴介助に行く前に誰かに伝えればよかったのだ。もっと強く主張すればよかったのだ。もっと早くにMさんのところにナースでも誰でも引っ張っていけばよかったのだ・・・。

パートや派遣が利用者の状態を見て気づいたことや疑問を伝えると、「アンタはたまにしか来ないからわからないだろうけどこの人はいつもそうなのよ。そんな小さなことをイチイチ報告しないでちょうだい忙しいんだから」的態度を取る常勤者がいるのも事実。そんな態度を取られたくないとの思いが私の頭をかすめたのも事実。

最初に報告したナースに、「あなたはいつもよく気づいてくれるね」と言われたのがせめてもの救いだ。

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2008年4月15日 (火)

歩数計をつけてみた

ちょっと実験。

歩数計をつけて仕事に行ってみた。(実働8時間。Door To Door 徒歩通勤も含む)

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入浴介助をした日




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同じく入浴介助をして、帰りにスーパーに寄った日




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入浴介助のない日曜日




入浴介助日の方がたくさん動いていると思っていたが、まったり感のある日曜の方が多いとは。

日曜もなんだかんだとフロア内を動き回っているから、結構歩いているんだな。

疲労感は入浴介助日のほうが遥かに強い。ちょうど体育の授業でプールに入った後の午後のけだるさみたいな感じ。

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これは仕事のない日、家の中でトドになっていた日sweat02




これでは痩せないわね^^; 薄着になる季節、さて三段腹をどうするか・・・。

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2008年4月 9日 (水)

今年の新人

今年も施設に新人が2人(男性1、女性1)入った。2人とも専門学校を出た介護福祉士だ。昨年秋以降、常勤2人減だったうちのフロアに2人とも配属された。

去年実習に来ていたから見覚えがあるが、あまり印象に残らなかった子たちだ。先週初めて顔を合わせたとき、「おはようございます」と挨拶してくれたので、私も「おはようございます」と返した。

ン? それだけ?

「新人さん? パートの○○です。よろしくお願いします」と、私のほうから挨拶した。

「あ、△△です。よろしくお願いします」

まぁしゃあない、緊張していたんだろうね。長い目で見ないとね。


娘の会社は入社前に3日間、泊り込みの研修があった。3日間、朝から晩まで何をやったかというと、「接遇訓練」。

ビジネスマナーの基本として、身だしなみ、挨拶、お辞儀の仕方、言葉遣い、敬語、電話応対、来客応対、名刺のやりとりの仕方etc... ロールプレイしながら厳しくしごかれたという。


施設ではそこまでは必要ないとしても、せめて挨拶や言葉遣いぐらいはきちんと出来ないと・・・。人生の大先輩を相手にする接客業だ。面会者や来客も多い。「あそこの職員は応対がいいよ」とか「笑顔で挨拶してくれるよ」とかが、いわゆる風評ってやつでどこでどう施設の運営に影響してくるかもしれないのに、どうもその辺がここの新人研修ではあまりちゃんと出来てない気がする。年々ひどくなってくるような・・・なぁんて思うのは、こっちが目一杯トシ食ってるせいだろうか^^; こういうこと言うと煙たがられるから、口に出してはあまり言わないが・・・まぁ時々は言うけど。それって本当は指導職なりメンターなり、常勤の仕事でしょうに。その前に家庭での躾でもあるが。


「今年の新人って、ほんと動かないですね。コール鳴ってても素通りですもん。私も(新人のとき)あんなでした?」と聞いてきたのは数年前の新人Sさん。

「うん、あ、いや、まぁ最初はみんな同じようなもんでしょ。どうしていいか、まだわからないんだよ」と私。

「でもちゃんと教えたんですよ。ほんとに今の若い子は・・・」

「おいおい、今の若い子って、Sさんいくつ?」

「22」

「2歳しか違わないのに」

「いや、この2歳の差は大きい! 全然違う感じです」

「じゃあそれは年齢差じゃなくて、社会人と学生の差ってことやね。Sさん、成長したんやね」

「そうかな~」

「まぁまだ始まったばっかりだもん。彼らも成長するから、長い目でみてあげよ」


そうそう、彼らも成長するのだ。多分。

頑張れ~!! 

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2008年4月 7日 (月)

席替え

個別ケアをめざして、排泄介助をA,B2グループ制にしてほぼ1年が経った。

グループ制の意識も浸透し、常勤職員の間には居室担当としての責任感もずいぶん出てきたように思う。シーツ交換やリース衣類の整理などはアルバイトを雇い、入浴の着替えの準備などはご家族に予めセットしてもらうようにするなど、業務の見直し&アウトソーシングも行われた。おかげでパートも雑務的なものから解放され、利用者との接触がより多くなった。



そして第二弾として、食堂の席替えをすることになった。

今まではAB利用者が混在していたが、仕切りの壁こそないものの食堂の真ん中を境に大きくAグループとBグループに分けた。

机も向かい合わせに座るパターンをやめてコの字型にしたり、小さな島に分けたり・・・グループ責任者となった職員は、数ヶ月前からああでもないこうでもないと図面を引きながら案を練っていた。

車椅子が出入りしやすい場所か、ソリの合わない人同士は離れているか、いじめが起こらない組み合わせか、歩行器が近くに置けるかetc...

そして、今までカウンター近くに食事介助が必要な重度者を集めていたのをやめた。あちこちに要介助者が分散することにより、職員も分散する。食介しながら職員の目がすみずみまで届くようにしようという狙いだ。今まではどうしても自立の人には目が行き届かなかった。

食後は我先にトイレへと向かう人、居室へ帰る人、トイレ誘導、はたまた配膳車を下げに来る厨房職員など、食堂前のメインストリートはいつも渋滞が起きるのだが、A,B分かれたことで動線も少しはすっきりするかもしれない。




主任が席替えの趣旨を利用者に説明し、「気に入らないところがあるかもしれないけど、これでしばらくやってみましょう。ご理解とご協力をよろしくお願いしますね」と挨拶、いよいよ民族大移動だ。

・・・予定では1時間で終わるはずが、2時間近くかかってしまった。

殆どの人は新しい席に納得された。今まであまり話したことのなかった人が隣り合わせ、「よろしくね」などと挨拶している。

ところがというかやっぱりというか、数名、ゴネる人がいた。こういう時、必ずと言っていいほど文句を言う人が出てくる。で、たいていの場合、ゴネ得なんだよね(爆)。小学生時代の席替えを思い出す。

この人は多分ゴネるだろうと思われる人には2案3案が用意されていた。それでだいたい丸く収まったが、想定外の人が最後まで揉めていた。

Kさん(50代女性、若年性アルツハイマー、パーキンソン病)は普段はおとなしくあまり自己主張しないタイプだが、今回はずいぶんと拘った。

最初の席は「TVの真下だから見えない、音がうるさい」。次の席は「窓際で暑すぎる」。

職員が困っていると「前の席でいいわ」。イヤだって言ったじゃないの。もう他の人が座っちゃったよ。だいたいKさん暑いはずよ、着込み過ぎ。もう春だし、カーデガン脱ぎましょ。ほらこの席でちょうどいいでしょ、TVもよく見える。「そうね」と納得して5分としないうちにまたカーデガンを着込み、「暑い。変えて」の訴え。

「わがまま言わないの。みんながわがまま言ったらどうなると思う?」 今にも切れそうな職員に、「わがままだとわかってる。でもイヤなの。もうイヤッ」 顔を真っ赤にして抗議、そして失禁・・・。

ここの主のような I さんが、「なんでKさんだけ変えてもらってるの!」 ズルイと言わんばかりのキツいひと言もあり、夕食前の食堂は一波乱ありそうな気配が・・・。

そのあとどうなったのか、ちょうど上がる時間となったのでわからないが、今度出勤したら大幅に変更されている気がする。

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2008年3月31日 (月)

昇給

パートの時給がアップした。

毎年上がるが、今年はなんと、例年より率にして2倍のアップ。

20円sign03 (爆)

毎年10円ずつ上がるのが今年はイッキに20円上がった。常勤がたくさん辞めたので、余った人件費を分配してくれたらしい。決して儲かっているわけではないと。

1日8時間働いて160円の増収。ああ嬉しいsweat02

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2008年3月22日 (土)

タンバさんと同級生?

最近入所されたFさん(80代男性)は、思わず見とれてしまうほどハンサムなおじいちゃん。少し長めの銀髪に知的な眼差し、物腰は柔らかで読書家だ。こんな綺麗なおじいちゃんは見たことがない。残念なことにお尻の栓が緩く、便が出てもわからない。オムツ使用中だ。

私はまだFさんと話らしい話をしたことがないので、昨日のお風呂のときに話しかけてみることにした。

「Fさんって男前ですね~。若いときはさぞモテたでしょう?」(いきなり何ちゅう話題やねん^^; と思ったが、他に思いつかなかったからしょうがない)

「いやいや、そんなことはないよ。そんな軟派じゃないよ、俺は」

「でも女の子がほっとかないでしょうに」

「そんなことないよ。タンバはよくモテたけどね」

「タンバ? タンバって?」

「役者になったタンバだよ」

「役者のタンバって・・・丹波哲郎? あのGメンの? 大霊界の丹波哲郎?」

「うん。死んじゃったけどね。同級生なんだよ。アイツは軟派と硬派、両方でね。俺は硬派」

「へえ~Fさん、丹波哲郎と同級生なんだ~(一瞬、ほんとやろか?この人、認知あったっけ?と思ってしまう^^;)。丹波さんも男前だったけど、Fさんのほうがもっと男前だったでしょ」

「まぁね。丹波は昔はそんなに男前じゃなかったよ」 (あはは、ひそかに張り合ってたりして)

「Fさんは何のお仕事、されてたんですか? もしかしてFさんも役者さんだったりして?」

「いやいや、俺はただのトリだよ」

「トリ?」

「そう。ただの月給取り。アッハッハ~」 手をヒラヒラさせながら浴室の中へと入っていかれた。

なんだか煙に巻かれてしまったみたい。でも案外気さくで面白そうな人だ。

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2008年3月10日 (月)

昨日のおやつどき、食堂にみんなが集まっているところへS氏(70代男性)の娘さんとそのお嬢さんが面会にやってきた。

娘さんは、「これ、買ってきたんですけど父に食べさせてもらえますか」と言って、苺のパックを私に差し出した。「じゃあ、冷蔵庫に入れておきますね」と私は苺パックを預かった。

「今、少し食べさせたいので、洗ってください」と言われたので、私は数粒の苺を洗ってヘタを取り、お皿に載せて娘さんに渡した。

娘さんはお皿を受け取るとS氏の席へ行き、S氏の前にトンとお皿を置いたかと思うと、汚れ物を洗うためにそそくさと洗濯室へと消えた。孫娘(高校生か大学生ぐらいかな)はお母さん(娘さん)のあとを追うでもなくS氏の傍に行くでもなく、ステーション前のソファに腰を下ろしてボ~ッとしていた。

みんなの前にはおやつのアンパンとお茶、S氏の前にはアンパンとお茶と苺が並んだ。苺の甘い匂いが漂った。

同じテーブルの数人が見つめる中、S氏は平然と苺を平らげた。




お皿を渡す時に、「ご家族が持ってこられたものは下のロビーか談話室でお召し上がりください」と言うべきだっただろうか・・・。

そんなこと、常識というか、普通の感性の持ち主なら言わなくてもわかるだろうに。現に他の家族はそういう場合、場所を移して家族水入らずで食べている。「お饅頭を半分とヨーグルトを食べさせました」などと、きちんと報告してくれる家族もいる。

私はてっきり自室か他の場所で、3人仲良くおしゃべりしながら・・・と思っていたからもう唖然呆然。

それにエサじゃあるまいし、お皿だけ置いてロクに会話もしないなんて。孫娘も何しにきたの? お母さんにくっついてきただけかい。せっかく来たのに、おじいちゃんとおしゃべりしないでいいの?



しばらくすると娘さん、「洗濯物が多すぎて乾燥機に入りきらないので、職員用の乾燥機を借りていいですか?」ときた。

はぁ~sign02 山ほど汚れ物を貯めこんだのはアナタでしょ。1回で入りきらないなら2回に分ければいいじゃないの。時間がないなら家に持ち帰って洗えよ。ったく何言ってんだ、この娘は! ちなみに家族用の洗濯機乾燥機は有料だが職員用は無料だ。

「こないだもお借りしたんですけど」

なにぃ~~sign03 常習犯かい! 私の毛細血管の1本か2本、ブチ切れたかもしれない。

こういう無神経な人にはなまじ好意が仇になる。

やっぱり何でも言わなきゃわからない人って、いるんだ。

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2008年3月 8日 (土)

つんつるてん

リースの服の話。

施設では昼間は日常着、夜はパジャマ、と服を着替えていただくが、自立のかたの中には面倒なのか全然着替えず、日常着のまま寝ている人も少なからずおられる。パジャマの代金もリース料の中に入っているのだから着替えなきゃソンソン、というか生活にメリハリをつけるためにも身体を動かすためにも、是非とも着替えていただきたいところだが。

そういうかたには試しにスウェットの上下を着てもらったらどうかということになったらしく、リース業者にスウェットの注文をしたそうな。見本を見るとゆったりめのサイズだったので、女性用はS、男性用はMを注文したらしい。

しばらくは、よかった。

ところが昨日、お風呂のあとに用意されたスウェットを着てもらおうとすると・・・なんじゃこれ~~thunder 見事なほどにつんつるてん! 女性用などは小学生サイズ^^;

どうやら、数回洗濯するうちに縮んでしまったらしい。いったいどんな洗い方をしているんだろう? これじゃよっぽど小柄で痩せた人しか入らない。ズボンの裾のリブ(ゴム編み部分)など、むくみ気味のお年寄りの足は通らない。

急いでリース庫に戻り、大きなサイズのスウェットはないかと探したが、無い。仕方がないので普通の日常着を着てもらった。こんな縮み方は想定外、業者に文句言うわと主任は言うが・・・。

日常着のボタンが取れてたり、裾がほどけてたりは日常茶飯事、色の剥げかたも激しい。女性用のズボンはたいてい丈が短く、ウエストがきつい。オムツやリハパンの上に履くから、腰周りがゆったりしたものをと大きいサイズにしても、丈は短い。このごろは体格のいいお年寄りが増え、女性でもスラリと足長のスタイル抜群のおばあちゃんもいる。そういうかたはいつもつんつるてん。決して安くないリース料を払っているのに、これでは気の毒だ。

どうせ文句言うならそういうこともついでに言っといてくださいと、パートのオバチャン二人は鼻の穴を膨らませて訴えたのであった。


自前の服を着ているかたでも、よくわからずに家族が用意するのか、ズボンのウエストがキツキツだったり、着脱しにくいかぶりの服だったりすることがある。

着脱介助が必要なかたには、ズボンはゆったりめでウエストはゴム仕様(ファスナーやボタン開閉、男性のベルト使用はちょっと・・・)で裾はリブのないもの、座っている時間が長いかたは特におなかが締め付けられないように、かなり大きめと感じるサイズでもちょうどいい。上着もシャリシャリすべる素材よりは綿のものや伸縮性のあるものが良いかと思う。拘縮気味のかたは前開きじゃないと辛い。

男性のかたで、開襟シャツの袖のカフス部分を切り取り、ゴムを通してあるものを着ているかたがいるが、奥様の気配りを感じる。

「娘が作ってくれたのよ」と、作務衣を着ているおばあちゃんもなかなか快適そうだ。

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2008年3月 4日 (火)

気の緩み

このところ特養へと退所するかたが相次ぎ、ごっそりと入所者が減った。(キャパを増やしたわけでもないのに特養がそれだけ空くということは・・・typhoon

こんなことを言うとその方たちに申し訳ないが、トイレ頻回だったり見守り注意だったりトラブルメーカーだったりと、手のかかるかたが退所されたおかげでコールは減り、職員は身体的にも精神的にもだいぶラクになった気がする。

コールが少ないとこんなにも静かで、イラついたりアセったりしないで済むとはね(^-^)

日曜午後など、レクを楽しむゆとりも生まれた。フロアでのいつもの “日曜映画劇場” に加えて、ステーション前では家庭用ゲームで遊ぶ人、廊下の端にカラオケセットを持ち出せばさっそく歌う人・・・いつも部屋に引っ込んでしまう人たちを誘ったら、結構みんな出て来られた。もうすぐ100歳になるおばあちゃんは若い(といっても70代)男性陣をオセロで打ち負かしていた。

職員数も少し増えたので、レクのお相手をすることができた。といってもレクについているのはもっぱら常勤で、パートや派遣は動き回っていたけれど^^;

やっぱりこれぐらいじゃなくちゃね。ずっと補充ナシで来たこれまでが忙しすぎたのだ。


ゆとりが出来たせいか、私は小さなミスを続けてやらかしたsweat01 パッドの種類を間違えたり、足上げ必要な人のギャッチアップを忘れたり、臥床時の柵を忘れたり。

ちょっと気が緩んでいるのかな・・・。イカンイカン。喝~ッsign03

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2008年2月18日 (月)

杖歩行

新しく入所したYさん(男性)は片麻痺があり、杖を使って歩いている。

廊下でひとり歩行練習するYさんを見ていると、ヘルパー講座で「杖歩行」も習ったなぁと思い出し・・・ひさしぶりにbookテキストを引っ張り出した。

杖歩行は杖を健側の手で持ち、まず杖を一歩前に出し、その次に麻痺側の足を出し、最後に健側の足を出す。(杖→患→健) 介護者は利用者の麻痺側の後ろに立ち、ベルトをつかんだり腰に手を回したりして介助する。

これが階段になるとちょっと違う。上がる時は健側で身体を引き上げ、下りる時は患側から降りて健側で身体を支える。常に健側が上にある。

平地 ・・・ 杖→患→健
上り ・・・ 杖→健→患
下り ・・・ 杖→患→健

そうだっけ。 ああ~、もう忘れてるsweat02sweat01

杖で歩くのもなかなか骨が折れそうだ。

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2008年2月12日 (火)

特養へ

日曜日、M氏(70代男性)が特養へと退所された。

特養の面接を受けてから数ヶ月、あと3人待ちとの連絡から3ヶ月が経っていた。気難しく、暴言暴力の絶えない人で、職員の人格などまるで無視している人だった。

ここの開設当初からの入所者で、一度他の老健へ移ったものの体調を崩して入院、退院後はその老健で「とてもうちでは受け入れられない。職員が、M氏が戻ってくるなら辞めると言っている」と拒否され、行くところがなくて戻ってきた人だ。

再入所時に、また暴言暴力が出るならば即退所していただくと本人や家族に言ってあったらしく、やっとのことで家族も特養を申し込んだという。それまでは殆どほったらかし、無関心だった。

先月のこと、M氏は「目が見えない」と訴えた。検査をしたら、空腹時血糖値が300を超えていた。食事の量が減り、水分補給のポカリもおやつも禁止になった。

排泄介助を嫌がり、洗浄も薬塗布も拒否し、陰部は赤くただれていた。最近はむせこむことが多く、食事に時間がかかるようになった。たったひと月ほどの間にがっくりと老け込んだ。ADLが目に見えて落ちた。

少し治まっていた暴力が、特養へ移る日が近づくにつれてまたぶり返した。男性職員もリモコンを投げつけられたり、殴られたりした。あと少しだからと、みんな耐えた。

日曜日、M氏は職員が差し出した花束も投げ捨て、何の言葉もないまま、そっぽを向いてエレベーターに乗っていかれた。

最後までどうやっても心の通じない人だった。

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2008年1月28日 (月)

千秋楽

昨日は千秋楽、横綱同士の大一番とあって、みんな朝から相撲の話題で盛り上がっていた。

おやつを食べ終わると普段なら部屋に引き上げて一休みするかたも多いのに、昨日は食堂に居残る人が多かった。5時ごろになると、「起こして」コールと「トイレ」コールの連続。いつもとちょっと違う時間帯に混雑のピークが来た。普段は夕食ギリギリまで寝ている人も早々に起き出してTVの前に陣取る。みんな、ほんとにお相撲が好き。

朝青龍と白鵬が登場すると、職員も面会者もちょうどお茶のヤカンを運んできた厨房のスタッフも、みんな大型TVを見上げ・・・待つこと数分、白鵬が朝青龍を投げ飛ばした瞬間には歓声と拍手が起こった。この数分間、職員は誰も仕事していなかった(爆)。

こうやってみんな揃って一台のTVを見るってのも、なかなかいいもんだ。王監督のWBC以来じゃないだろうか。

それにしても、すごい気迫だったね~。



今日、腰の牽引に整形外科に行くと、隣でウォーターベッドに揺られながらおばあちゃん二人がやっぱりこの話で盛り上がっていた。話はそこからマラソンの話になり、その次はなんとサッカーの話に発展、「チリは強かったね~。まだまだ岡田ジャパンは駄目ね」なぁんて言っている。おばあちゃんたちの口から「岡田ジャパン」なんて言葉を聞くとは思いもしなかった私は、かなりびっくりした。このおばあちゃんたち、明日はきっとハンドボールも見るんだろうな~。

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2008年1月22日 (火)

退所

前に記事にもした(11/22 「苦労話」)トラブルメーカーのMさん(90代女性)があさって退所することになった。行き先は近くの老健。「老健渡り鳥」だ。

どうにもMさんとソリの合わなかった職員はヤレヤレ、やっと・・・という顔をしていたが、私は結構Mさんのことが好きだっただけにちょっと寂しい。「夜のMさんを知らないからよ。昼間とは違ってそりゃもう大変なんだから」らしいが、もうあの「手」から始まる一連の話を聞けないんだな・・・。渡り鳥ならば、いつかまた舞い戻ってこられるまで、がんばってここで働いていようかな、なんて。

Mさんには退所のことは内緒だ。「事前に言うと不穏になるから」だそうで、だから私はMさんに会える最後の日、さよならも言えなかった。心の中で「お元気で」と言った。


先月退所されたKさん(80代男性)は、車椅子で暮らせるようにと自宅を改修しての退所。週数回デイサービスに通ってこられるとはいえフロアとはお別れなので、最後の日に挨拶に行くと泣かれた。職員がてんでばらばらに挨拶に行くものだから、その度Kさんは顔をくしゃくしゃにして泣いた。普段は居室にこもりきりで、静かにテレビを見たり、麻痺側で字を書く練習をしたりして過ごす、寡黙な人だった・・・。

そんなKさんがデイサービスに来ているところを、先日偶然に目撃したら・・・なんと、他の人たちと輪になって風船バレーをしているじゃあーりませんか。それも罰ゲームでちょんまげのヅラをかぶって! フロアにいるころは、誘っても風船バレーなどやらなかったのに、今じゃにこやかに笑ったりして!

「Kさ~ん!」と声をかけて手を振ると、ニコニコして手を振り返してくれた。なんという変わりよう・・・。

やっぱりお家に帰ると違うのかな。フロアでは無理というか我慢していることも多かったのかな。何かKさんを閉じこもらせるような雰囲気がフロアにはあったのかな。あんまりレクとかやる時間もなかったものね、いつも職員はせかせかしていて・・・などといろんなことを考えてしまった。でもまぁ今、Kさんが楽しそうだからいいか。

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老健での投薬

20日(日)の NHKスペシャル 「認知症 なぜ見過ごされるのか~医療体制を問う」、残念ながら後半の30分ほどしか見られなかった。(そのうち再放送、あるかな?)

私が見た部分で印象的だったのが、施設でなんとかアリセプトを使えないかと頑張る老健のドクター。事務方にアリセプトの購入を談判するが・・・

アリセプトはアルツハイマー病の進行を遅らせる効果があるとされている薬だが、値段が高い。入所者の薬などの費用をすべて負担している老健は、それでなくても介護報酬の減る中、心臓や高血圧、糖尿病などの治療薬を用意するのが精一杯で、とてもアリセプトのような高価な薬は、買いたくても買えないのが現状という。

アリセプトを使えば効果があると思っていても、施設の懐具合もわかるだけにジレンマを抱えるドクター・・・。

舛添大臣は、「いずれは介護保険と医療保険を一本化させられないかということも考えてます」というようなことを言っていたが・・・。

今の制度では、老健の財政状態いかんで適切な治療や投薬が受けられたり受けられなかったりするということにならないか。なんで老健は高価な薬であっても報酬請求できないのか。老健が医療行為が必要な人の入所を敬遠しがちという話も十分頷ける。

在宅で看てアリセプト処方してもらうか、施設で面倒見てもらうか。究極の選択・・・。

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2008年1月15日 (火)

私だったかもしれない

2週間ほど前に入所したOさんは小さな小さなおばあさんだ。痩せて小柄な上に背骨は大きく曲がり、手足の拘縮も進んでいる。長時間座っていられないので、毎食事の寸前に食堂に誘導し、終われば即、臥床していただく。骨粗鬆症もある。


先週の金曜日午前、金曜日は入浴で職員はみな浴場に出払い、フロアにはリーダーと派遣のAさんしか残っていなかった。

Oさんの入浴の順番が来たので、リーダーの指示でAさんがOさんを起こしに行った。AさんがOさんを車椅子に移乗しようとした、そのとき・・・

「痛~い!」

小さな身体のどこからそんな声が出るのかと思うほどの大声でAさんが叫んだという。

「痛い痛い! 膝が痛い!」

びっくりして飛んできたリーダーとAさんは何がなんだかわからず、とりあえずベッドに戻し、入浴は止めにしてナースを呼んだ。


ドクターが診断し、レントゲンを撮ったが、足が拘縮しているのでうまく写らなかったそうだ。ちょっと身体に触れただけでも痛がるので、おそらく骨折しているのではないかと言う。ギブスを作ろうとしたが、骨が擦れて褥瘡になりそうなので弾性包帯をきつく巻いて固定してある。鎮痛剤で痛みはやわらいではいるが、体位変換やオムツ交換の際にはひどく痛がる。


派遣のAさんは未経験で、ここに来てまだひと月足らず。入浴パートが辞めたこともあってその日は入浴に回る職員が一人増えた上に入所者の受け入れもあり、フロアではバタバタしていた。入所手続きをやったことのないAさんに代わり、私がフロアに残ろうかと申し出たが、何とかなるだろうということで交代せず、私は割り振られたとおりにお風呂場に行った。後でリーダーは「自分がOさんのところに行けばよかった」と悔やんでいた。

「普通にトランスしたんです。どこにもぶつけてません。なのに、急に痛い痛いと言われて・・・」 Aさんは涙を浮かべ、謝罪の言葉を繰り返していた。


身の置き所のないほど萎れているAさんに何と声をかけたらいいのか・・・。

Aさんのトランスの仕方が悪かったのだろう。でももしかしたらOさんの膝は今にも壊れる寸前で、運悪く当たったのがAさんだったのかもしれないという気もする。フロアに職員がたった二人という状況が引き起こした事故とも思えるし、老健にふさわしくない状態の人が入所していること自体にも問題がありそうだ。

もしあの時、私がAさんと交代していたら・・・事故を起こしたのは私だったかもしれない。

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2008年1月 9日 (水)

その一言で頑張れる

一週間ぶりに出勤したら、いつも元気なKさん(80代女性)が発熱して寝込んでいた。

そういえば年末からグズグズ言ってたな。まだ治らないんだ・・・。ご機嫌伺いに部屋を訪ねると、「ああアンタ。アンタ、いつもどこにいるの? ちっとも姿が見えないから辞めちゃったかと思ったよ」

「そんなぁ、黙って辞めたりしませんよ。ちょっとお休みをもらってました。私はパートだから毎日は来てないの」

「そっか、パートかぁ。いや、他の人にオムツ換えてもらったらどうにも気持ち悪くてね」

普段は自立しているKさん、慣れないオムツはさぞ不快なことだろう。

「オムツ、慣れないから気持ち悪いでしょ。早くトイレに行けるようになるといいですね」

「ちょっとアンタ、やり直してよ」

オムツ自体に慣れてないのだから、誰がやっても気持ち悪いに変わりないだろうにと思いながら、ちょっとパッドの位置をずらした。

「ああ良くなったわ。ありがと。お風呂の時、アンタのやり方が丁寧だったから、きっとオムツも丁寧だと思ってさ。○○さんは乱暴でいけないね。そっか、パートかぁ。出来ることならとっ捕まえときたいよ」

うわ~ん、嬉しいことを言ってくれる。Kさん、ありがとう~。

その一言で、今年もまた頑張ろうという気になる。よっしゃ~~!

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2007年12月30日 (日)

最後までバタバタ

「今日は2人減なの。チョー忙しいと思うから、覚悟しといて」

出勤していきなりリーダーに言われ・・・見ると、早番がいない。忌引きらしい。

今夜の夜勤の一人も家庭に不幸があってドタキャン、急遽、遅番が夜勤にまわったので、遅番もひとりだけ。

ということで午前中は日勤3人、午後は4人で乗り切った。リーダーは日勤が終わっても上がらずそのまま遅番もやっていた。ぶっ倒れるよ~~^^;

あっという間に一日が終わった。夜勤の2人が出てきた時には彼らが神様に見えた。喉はカラカラ、水分補給する間もなかった。そういや自分の排泄を忘れていた^^; 全部汗に出ちゃったか。ハハハ。


というわけで今年もバタバタと暮れていきます。職員数が減り、年々忙しくなっていくように感じます。でもまぁ去年のようにノロウイルスの蔓延で面会謝絶のお正月、なんてことにはならないようで、その点はよかったです。

お正月に外泊する(家に帰る)利用者さんは、60名弱のうち、たったの4人。それぞれ事情もあるのでしょうが、家では看切れないような重度のかたが増えているせいもあるかと思います。

来年はもう少しゆとりのある介護が出来ればいいのですが。私もまた初心に戻って、頑張りたいと思います。

皆様、良いお年をお迎えください。

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2007年12月24日 (月)

誕生日

昨日はNさん(102歳女性)とSさん(73歳男性)の誕生日だった。

Nさんは関西出身、俳句が趣味のおばあちゃんだが、最近はボ~っとしていることが多くなった。息子さんが会いにきた後などはスイッチが入って急におしゃべりになる。

昨日も息子さんや職員と一緒に写真を撮って、とってもご機嫌だった。

「Nさん、お誕生日おめでとう~」と言うと、にっこり。「ありがとう」

「天皇陛下と同じ誕生日やねぇ」 「へ?誰? わからへんわ」にこにこ。

「おいくつになられたの?」 「さぁいくつやろ。わからへんわ」にこにこ。


Sさんは全介助、生きることに絶望しているようなところがあり、人を遠ざける。おめでとうと言っても知らん顔。ちっともめでたくなんかないわい!と言わんばかりの仏頂面で、ご家族の面会もない。

それにしても30歳の年齢差! 人生、長くなったもんだ。

Nさんはちょっと耳が遠いけれど、どこも悪いところがない。薬もたまに下剤程度。Nさんみたいになら長生きも悪くないなと思うけれど・・・。

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2007年12月17日 (月)

あっけない別れ

昨日出勤したらフロアがざわついていた。夜勤明けのナースに加えて、出て来たばかりの日勤ナースがバタバタしている。

何かあったな・・・。日曜の朝は結構、急変が多い。

救急車が到着し、Sさん(80代男性)が運ばれていった。日勤ナースが付き添っていった。Sさんの顔は紙のように真っ白だった。


昼前に戻ってきたナースに「Sさん、どうでしたか?」と尋ねると、「亡くなったよ」

心筋梗塞だったそうだ。

受け入れ先の病院がなかなか決まらなかったらしい。受け入れてくれた病院では、家族が間に合うまで心臓マッサージを続けてくれたという。

Sさんは癌の末期で、先月も肺梗塞を起こし入院したが、家族の要望で退院後はまたここ(老健)に戻っていた。いつ何があるかわからないので、以後は病院でと、今日にも家族と話し合う矢先の出来事だった。

朝起こしに行った時は異常なく、食堂で朝食を待っている間に急変したらしい。大声を出すでもなく痛がるでもなく、ただただ真っ白になって汗をかいていたそうだ。

大勢の見ている前での出来事だったので、昨日は一日中、「あのひと、どうなったの?」とか「救急車でどこへ行ったの?」とか、クリアな利用者から聞かれた。でも事実を言うわけにはいかない。「私もわからないの。お元気に戻って来られるといいわねぇ」などと答えた。

Sさんは身体を動かすと痛がったが、横になっていると痛みを感じないようで、穏やかだった。もう立てないのに自分でトイレに行きたがり、オムツを嫌がった。金曜日には普段通りお風呂にも入った。耳が遠く、口数も少なかったが、意思疎通出来たときにはにっこりと笑ってくれた。あまりにもあっけなく逝ってしまわれた。さよなら、Sさん・・・。

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2007年12月 6日 (木)

年末年始は休みたい

ずっと前から年末年始のカレンダーを見てはひとりでニヤついている。

1月4日に有休を取れば・・・6連休だ! 年末30日に出たら、次は1月6日。勤め人とほぼ同じ休みのパターン。

今年も去年もおとどしも、ずっと年末年始は出勤だった。来年の暦の並びはうまい具合に大晦日三が日がすっぽりと私のオフの日と重なっている。

おそるおそる副主任に有休を申し出たら、あっさりとOKが出た。「お父さん大変なんでしょ、いいわよ」

「いえあの、もう父は元気になったのでそんなに心配はしてないんだけど・・・両方の実家巡りがあるので、ちょっと体力的にしんどいかなと・・・」

モゴモゴ言ってたら、「いいよいいよ、主婦は休め~!」

ありがとう~! そういう副主任だって家へ帰れば主婦なのに、家事もまともに出来てないのに、北海道のお母さんの看病もあるのに、人手が足りないからいつも無理して出勤している。ウチには掃除も洗濯も私よりずっと上手な主夫がいるからね~♪なんて言ってるけど。

パートや派遣仲間に聞いたら、どこんチも年末年始の出勤は「ダンナが不機嫌になる」んだそうだ。はっきりダメとは言わないけど無言の圧力を感じるんだそうな。ふ~ん、そんなものなのか。そういえばこの3年、年末年始に他の主婦パートの姿はなかったな。な~んだみんな有休取ってたのかいっ。クソまじめに出勤してた私って・・・^^;

昼食時、副主任がやってきて、

「申し訳ない、誰か31日出てくれる人、いない?」

一同、シ~ン。

「午前中だけでいいんだけど」

しばし腹の探りあいのあと、今月から来たばかりの派遣のAさんが

「出ます」と言ってくれた。ありがとう~!

ご主人は大丈夫? と聞いたら、「主人、いません。夏に別れましたから。だから全然、平気ですよ」

あらら、そうだったのか~。悪いことを聞いてしまった^^;

「大丈夫よ、リハもお風呂もないからかえってゆったりしてるから」

ンなわけないだろ、常勤足りないからこっちにお鉢が回って来るんだろーに。それに今年はノロで大変だったんだから。来年はインフルエンザかもよ。と思ったが、黙っていた。

ごめんなさい、今回は私、休ませてもらいます。31日から夫の実家で長男の嫁、してきます~(-。-;  もしかしたら働いている方がラクかもしれない。ボソッ

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2007年11月29日 (木)

改正社会福祉士・介護福祉士法、成立

28日、改正社会福祉士・介護福祉士法が成立した。

これから介護・福祉業界を目指そうという人の入り口の部分や、現在現場で働く人のレベルアップに関わる部分が大きく変わるわけだ。また、これにより2012年度からは新しく「准介護福祉士」とやらが誕生する。

この件については前にも書いたが、→落ちてももらえる資格って・・・?(07.5.10)

厚生労働委員会での審議の様子についてのレポがAll About に載っていたので、ご紹介。

【国会論戦】准介護福祉士創設は誰もが反対

後ほど、この続きもUPされるようです。

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2007年11月22日 (木)

苦労話

忙中閑有り。記録を書いていると、「ねえ、ヒマな時でいいから爪切ってちょうだいな」

いつも他の利用者にケンカをふっかけてはトラブルばかり起こしているMさん(90代女性)が話しかけてきた。車椅子が当たっただの、こっちを向いて咳をするなだのと周りに当り散らし、潮が引くようにさぁ~っとみんなMさんの周りからいなくなってしまった午後のこと。

まだまだエネルギーを発散しきれずトゲトゲした風情のMさん。

「今、いいですよ」と私はMさんの爪を切りだした。

慌しくしているとゆっくり利用者と話をすることも出来ないが、爪切りや耳掃除は格好のコミュニケーションチャンスだ。Mさんの場合、手のことを話題にすればその後に苦労話が出ることも、長い付き合いでわかっている。

「Mさんの手って、大きいね」と言うと、「ごついでしょ、男仕事もしたからね。出来ることなら何でもやったのよ。そりゃもう苦労したんだから・・・」

思っていた通り、そこからMさんの苦労話(or自慢話)が始まった。

10歳も年上の姉さん女房だったこと、たった5年の結婚生活で亭主に死なれたこと、お姑さんがいい人でよくしてもらったこと、そのお姑さんを看取ったこと、一人娘を育てるためにバスの車掌を振り出しにいろんな仕事をしたこと、工場で男と一緒に働いたこと・・・。

もう何度も聞いた話だが、うんうん、それは大変だったね~、へぇそうなの~、苦労したのね~、と爪を切り切り、相槌を打ちながら聞く。

ひとしきり話し終えたMさんに、「この手、嫌い?」と尋ねてみた。

「そりゃイヤだよ、節くれだってて男みたいだもの。苦労してない奥様がたは白魚のような綺麗な指してる」

「でもMさんの爪は大きくて切りやすいよ。リッパな手だわ。ほら、綺麗に切れた」

「アンタ、爪切り上手ね」

誉めてもらった。トゲトゲの気持ちも、おしゃべりしたことで治まったようだ。

「Mさん、いいお姑さんでよかったじゃない。お姑さんのことで苦労してる人も多いのよ。Mさん、幸せだね。いい娘さんにも恵まれたし」

自分でもクサイな~と思いながらも、「手はごつくなったけど、悪いことばかりじゃなかったよね。みんな何かしら苦労してるのよ、見えないだけでね」

そうね、みんなそうね・・・とすっかり穏やかになり、部屋に戻っていくMさん。

戦前戦後を生き抜き、おそらく私などの想像を絶する苦労をしてきた人だ。いきり立っている時は正直、困った人だと腹も立つが、その気の強さがなかったら生きてこられなかっただろう。時代が、環境が、Mさんを強くしたのだろう。

私はMさんの苦労話を聞くのが嫌いではない。元気をもらえる気がする。

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2007年11月13日 (火)

追いはぎ入浴

金曜日、午前の入浴を終え、ヘトヘトになって戻ってきたパートのSさんがこぼした。

「Hさん(80代女性)に、『まるで追いはぎに遭ったみたい』って言われたの。こんなの介護じゃない。こんな介護なら私、したくないわ~」

その日は実習生が来ていて、職員数が1人増(といっても実習生だ)だったからか、リーダーから「午前中に特浴全員入れちゃって」と言われたらしい。

普段は、午前中は中間浴(15人)しか入らず、時間が余れば特浴を一人ふたり・・・というところなのに、全員(6人)とは! 9時から11時半までの2時間半で機械浴21人はハードだ。案の定、11時半には終わらずに12時近くまでかかっていた。

そうでなくともキツキツのスケジュールで、好きなだけお湯に浸かってもらうこともなく、急き立てられるような入浴タイム。

まさしくHさんの言葉どおり追いはぎのように衣服を剥ぎ取られ丸裸にされた利用者は、前を隠すヒマもなくチェアによいしょっと担いで乗せられて浴場へと運ばれる。中では職員が挨拶もそこそこにザザ~っとシャワーのお湯をかけて洗い始める。洗い終わればお湯の出る機械の中へ・・・。上がれば、汗が引くのも待たずに服を着せられ、足と頭をドライヤーで半乾きにされて、はい一丁上がり。

おそらく食事の次ぐらいに楽しみなはずのお風呂が、これではね^^;  気の毒だ。

今までにも何度も改善を話し合ってはいるが、良案がない。60人近い入所者を一日で入れないといけないという現実がある。

ごめんね、ゆっくりできなくて・・・と言いながらの入浴介助。 長湯の人、烏の行水の人、熱いのが好きな人、ぬるいのが好きな人、オムツの人が続かないように、いつも同じ人が後回しにならないようにetc. せめて少しでも快適にと入浴順を考えたりしてはいるが、これも結局は効率重視の発想、気がつけば時計を横目で見ながら、長湯の人に「そろそろ出ますか?」なんて声かけている自分・・・ほんと、こんなの介護じゃないよね・・・。

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2007年11月 6日 (火)

ちょっとしたコツ(パッドの工夫)

I さん (80代女性)は脊椎損傷で下半身が麻痺している。尿量が多く、オムツの中には一番大きなパッドを使用している。

そんな I さんがお孫さんの結婚式と披露宴に招待されて、1日出かけることになった。

綺麗にお化粧して、ステキな衣装に着替えて若返った I さん、心配事はやはり排泄のこと。普段は数時間おきにパッド交換できるが、外出先ではそうもいかない。

「大丈夫、大丈夫」

スタッフは一番大きなパッドを二枚重ねにし、肌側の一枚の真ん中を鋏で切って穴を開けた。こうすれば一枚目で吸収しきれなかった尿は二枚目のパッドに吸収される。ふむふむ、なるほど。

「ただ二枚重ねても意味ないよ」 。だよね~。

夕方、「楽しかったよ~」と帰ってきた I さん、オシッコはバッチリ二枚のパッド内に収まっていた。


それから、これはコツというより基本だが、紙オムツには脇漏れ防止の立体ギャザーがついているが、これの中にパッドの端を収めておかないと漏れの原因になる。案外守れていないことが多い。

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2007年11月 5日 (月)

ヘルパーが足りない

コムスン介護事業が移行 「ヘルパー確保」難題 (07年11月2日 朝日新聞)

11月1日、コムスンの訪問介護事業も各自治体の譲渡先事業者に引き継がれ、延べ5万2000人の利用者が新しい事業者(事業所)に移行して、再スタートを切ったわけだが・・・

職員の退職による人手不足が深刻だ。閉鎖された事業所は全国で数十カ所に上り、譲渡の認可が間際になったところもある。24時間介護といった人手がかかるサービスの継続にも影響が出ている。

コムスンのヘルパーが、先行き不安もあって大量退職。

(事業所の)担当者は「コムスンと同じサービスを提供するのは、人材も一緒に確保できての話。常軌を逸したような辞め方は想定しなかった」と困惑する。

はぁ~。大量退職ですか。

ヘルパーにしてみれば、事業所が変わるだけでも不安なのに、これからは新しい利用者や深夜や早朝の業務が入ってくるかもとなれば、ひとりが辞めると言い出せば雪崩現象が起きる可能性はあるだろう。

当然、一番肝心なヘルパー確保の確認はした上での事業引継ぎだと思うのだが・・・規模を縮小したり閉鎖に追い込まれたりした所もたくさんあるという。見通しが甘かったってことかね。

求人チラシを見ていると、「資格不問」でヘルパー募集をしているところが結構あり、「?」と思ってしまう。

国の方針として今後は「量より質」、ヘルパーにもいずれ介護福祉士を義務づけるんじゃなかったっけ? 現状は量にも困る始末・・・。

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2007年10月25日 (木)

カメムシの季節

カメムシ集団発生の季節だ。

取り込んだ洗濯物に紛れてうっかりタンスに仕舞い込んだりしようものなら、一匹でももう臭いこと臭いこと。だいたい天気のいい日に発生しては白っぽいものに付くという説がある(本当?)。

日曜日はいいお天気だったので、私は午前中にポータブルトイレを洗って(バケツだけではなく、側も全部)、ベランダに干しておいた。ポータブルトイレの洗浄は日曜の日勤業務だが、このところ天気が悪くてなかなか洗えなかったのだ。ずら~っと全部で7台、結構重労働だが、きれいになると気持ちがいい。

さて夕方、乾いたポータブルトイレを取り込もうとした職員のSさんが、ギャ~! と大声をあげ、私を呼んだ。

「ちょっと見てよ~、カメムシカメムシ~!」

白っぽい色あいをしたポータブルトイレにはポツポツとカメムシがくっついていた。

「ちょっとどうすんのよ、コレ。一匹でも臭いのに」とSさん。

「取ればいいじゃん。臭いのはつぶした時だけよ。そっとつまめば平気よ」と私。

私はカメムシを一匹ずつつまんでは掌にのせた。青虫は大嫌いだがカメムシは大丈夫だ。ちゃんと足があるもん。

Sさんは信じられないといった顔でこっちを見ている。

「カメムシ怖いの?」 アンタもシュフでしょーが。洗濯物にくっついたカメムシを取れないでどうやってシュフがつとまるのさ? と思ったが、それは言わないでおいた。キャベツにくっついた青虫を取れないでどうやってシュフがつとまるのさ?ってことと同じだから(爆)。

「ちゃんと全部、取っといてよ。もうしばらくは洗わなくてもいいわよ、アルコールで拭いときゃいいよ」

へ? カメムシごときで? 洗ったほうが断然清潔になるのに。あとで、なんで洗わなかったのかと聞かれて、カメムシ発生中ですから・・・なんて言えるかよ。サボったと思われるのがオチだ。

「私は平気だから洗うわよ。だってそんなの、本末転倒じゃん」と言ったときにはもうSさんはカメムシだらけのべランダから退散していた。

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