タンバさんと同級生?
最近入所されたFさん(80代男性)は、思わず見とれてしまうほどハンサムなおじいちゃん。少し長めの銀髪に知的な眼差し、物腰は柔らかで読書家だ。こんな綺麗なおじいちゃんは見たことがない。残念なことにお尻の栓が緩く、便が出てもわからない。オムツ使用中だ。
私はまだFさんと話らしい話をしたことがないので、昨日のお風呂のときに話しかけてみることにした。
「Fさんって男前ですね~。若いときはさぞモテたでしょう?」(いきなり何ちゅう話題やねん^^; と思ったが、他に思いつかなかったからしょうがない)
「いやいや、そんなことはないよ。そんな軟派じゃないよ、俺は」
「でも女の子がほっとかないでしょうに」
「そんなことないよ。タンバはよくモテたけどね」
「タンバ? タンバって?」
「役者になったタンバだよ」
「役者のタンバって・・・丹波哲郎? あのGメンの? 大霊界の丹波哲郎?」
「うん。死んじゃったけどね。同級生なんだよ。アイツは軟派と硬派、両方でね。俺は硬派」
「へえ~Fさん、丹波哲郎と同級生なんだ~(一瞬、ほんとやろか?この人、認知あったっけ?と思ってしまう^^;)。丹波さんも男前だったけど、Fさんのほうがもっと男前だったでしょ」
「まぁね。丹波は昔はそんなに男前じゃなかったよ」 (あはは、ひそかに張り合ってたりして)
「Fさんは何のお仕事、されてたんですか? もしかしてFさんも役者さんだったりして?」
「いやいや、俺はただのトリだよ」
「トリ?」
「そう。ただの月給取り。アッハッハ~」 手をヒラヒラさせながら浴室の中へと入っていかれた。
なんだか煙に巻かれてしまったみたい。でも案外気さくで面白そうな人だ。
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