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2007年12月 4日 (火)

勉強会 ・認知症(3)

認知症ケアの基本 (以下、当施設の認知症ケア対応マニュアルより)

ケアする人とされる人の、性格や人間関係、場の状況などによって、同じようなことが行われても結果は大きく変わってしまう。一人ひとりの特徴をよくのみこんで、その人に合ったケアの仕方を工夫していくことが大切。そのためには、日常生活における注意深い観察力や努力が必要である。

認知症高齢者は精神的ストレスに対して抵抗力が弱いので、保護的受容的に接することを原則として、権威的高圧的な態度は禁物。認知症高齢者は情緒的に敏感で傷つきやすく、ケアする人の言動や態度をみて、それに敏感に反応するものである。


介護・看護の基本

ケアは本来個別的なものであるが、介護・看護者の心がける原則として・・・

1.なじみの人間関係(仲間)を作ること

認知症高齢者が取る態度に「未知化」と「既知化」がある。未知化とは当然知っているべき馴染みのなかまのことまで忘れることであり、既知化とは他人であっても日常生活を共にして密着して暮らしていると、以前から知った人として勘違いされることである。これにより安全安住が得られ、入院入所時の精神症状や異常行動が薬を用いなくても軽減し、活発に暮らしていけることがある。従って、ケアする側が常に密着することにより話が通じたり心がわかったりし、援助が円滑に行く。

2.高齢者の言動を受容し、理解すること

認知症高齢者の錯誤性言動は、わずかに残る残存機能を用いて周囲に反応しようとする結果であるから、徹底的に矯正したり無視したりしてはいけない。自分の表現を閉ざされるだけでなく、生き方を失い、混乱・困惑し、病状が悪化する。高齢者の表現を許容し、耳を傾けて十分受け止めることにより、高齢者を理解することが可能になる。

3.ペースに合わせること

認知症高齢者には人間の根本的な「存在不安」があり、動作や心の表現が限られて、自分のペースでないと生きていけない。健康な家族に合わせようとすることで自分のペースが保てなくなり、かえって生き方を失わせる結果となる。彼らのペースに合わせて援助していくことで、安心や満足の中で気を許して身を任せ、同調・迎合から意識的な自発化まで期待できる。

4.高齢者にふさわしい状況を作ること

過去の生活史にふさわしい状況を作ると、思わぬ良い結果を生むことがある。認知症高齢者は適応が悪いといわれるが、それは健康な人の基準での判断であり、馴染みの仲間との関係を見ていると、順応がよくお互いに交流を保っている。

5.説得より納得すること

認知症高齢者は心情的に判断しているので、理論的説得は通じない。従って、気持ちが通じて心がわかるような感性的納得の仕方で対応する必要がある。

6.少しずつでも絶えず良い刺激を与えること

過去から習慣化して手順記憶となっているようなもの(裁縫、演芸、民謡、散歩、掃除など)を刺激として用いると、残存機能を伸ばすと共に関連機能も活発化させる効果がある。

7.孤独にしないこと

頭を使わないと衰える「廃用症候群」や「退行現象」が深刻化する。おとなしくて問題も起こさない高齢者はつい忘れがちになるが、対人関係を作ることが大切である。

8.重要なことを簡単にパターン化すること

パターン化して、目の前で繰り返して教える。新しいものから忘れやすく、単純なものより複雑なものの方が忘れやすい。

9.良い点を認めて、よい付き合いをすること

あれもだめ、これもだめと欠点だけを拾うと限りなく厄介者になるが、良い点を見出すと良い付き合いが出来る。

10.高齢者の「今」を大切にすること

認知症高齢者は過去が消失し未来が考えられないため、「今」の瞬間を生きている。従って「今」が大事であり、「今」を安心して生活することが大切である。また「存在不安」を取り除いていく努力も必要である。

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