7月末に無事、実家の引越しが終わった。
高齢ゆえ家や庭のこれ以上の維持が困難と父が引越しを決めたのが4月、それからの約3ヶ月間は弟夫婦が大車輪の頑張りで引っ張ってきた。私は月イチでちょっと片付けの手伝いをしただけ^^;こういう時、遠くに住んでいると思うように協力できない。
「自分の家の引越し以上に大変やったわ。よう働いたな~」 ほんと、ご苦労さまでした。母1人ではおそらくこうは行かなかっただろう。
新居の照明や食卓、ベッド、地デジTVなどは事前に弟夫婦が新品を購入してくれていた。衣類の整理も、衣装ケースを事前に購入してくれていたので、母の古いタンスは和ダンス以外捨ててきた。こういう便利な収納ケースの利用も、昔気質の母に任せていてはおそらく思いつかないところだ。
世の中、便利なものがどんどん出てきてるのよと言っても、高齢者にはそういう情報はなかなか届かない。届いていても見過ごしている。高齢者もたまには若いモンと話をして刺激を受けたり、新しいモノや事柄に拒否反応を起こさずに興味や関心を持たないと、時代にどんどん取り残されていくのだろう。
最新設備を誇る新築マンションに、捨てられずに持ってきたたくさんの古いモノと若干の新製品が入り混じり、そこに金婚式をとうに過ぎた老夫婦が住むという、シュールな絵柄だ。大画面の地デジTVを見ながら取っ手が外れそうな古い鍋で調理し、昭和の遺物のトースターでパンを焼く。まぁどこの高齢者のお宅もそんなものだろうが、両極端すぎて何とも不思議。
引越しの2日後に手伝いに行った私は、主に食器の段ボール開けをやったが、これまた山のような食器の数々、こんなにたくさんの食器を今まで古い水屋(食器棚)にどうやって仕舞っていたんだろうと、今さらながら母のアクロバティックな収納ワザに驚く。作り付けの収納スペースでは到底収まる気配がないので、急遽、ニ○リで新しい食器棚を買った。こんなにステキな食器類、もっと普段使いにすればいいのに、仕舞いこんで忘れてしまい、普段はどこぞの景品でもらったお皿やビール買ったらくっついてきたコップなんかを使っているんだよね^^;
「もう気の張るお客が来ることもない、来るとしたら私ら身内だけやろうから、どんどん使ったらいいねん。あと何十年も生きるわけやない、自分のものは自分で使い。子のため孫のために取っとこなんて思わんでもええよ」
そうやなぁと応えながらも、倹約節約は美徳、の精神で生きてきた世代、急に意識改革は無理か。
だいたいの片づけが終わったので、あとは母に任せる。
「あとはお母さんのやりたいように、使い勝手のいいようにアレンジしてもらいましょう。何から何まで私たちがやってしまったらお母さんが混乱するし、“引っ越した”んじゃなくて “引越しさせられた” みたいな思いになってしまうと困るし」と、弟の奥さん。
確かに母は引越しに乗り気ではなかったから、そういう思いになるかもしれない。いいところに気づく義妹だわ。
父は新居に一泊しただけで、翌日入院した。
血中酸素濃度が低く浮腫もあるので、自分から入院すると言いだした。転居、家の売買に関わるいろいろな心労やストレス・・・せめて引越しが終わるまではと無理を重ねていたのだろうか。母1人では十分なことも出来ないし急変にも対応できないので、むしろ入院した方がお互いにとっていいことと判断したようだ。
やはり高齢になってからの転居というのはいろいろと大変だ。せめてもう十年早く決断してくれていたらと思う。父が望んだ引越しが自らの寿命を縮めるという皮肉な結果にならないことを祈る・・・。
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