「姉貴の私物も残ってるし、いっぺん片付けに帰ってけえへん?」と、実家近くに住む弟からの要請があり、一泊で実家へ帰ってきた。
実は今夏に実家の両親が引越しすることになったのだ。
東京オリンピックの年に建てた、当時としてはハイカラな家も今ではすっかりボロ家、一度改修工事はしたもののすべてが古く、特に水回りなど使いにくいこと、両親も高齢になり庭の手入れが出来なくなったことなどがあり、まだ気力の残っているうちにと、近くの新築マンションを買って転居することとなった。
先月その話を聞いたときは、「エエ~~~!なんと大胆な!」とのけぞった。一瞬、有料老人ホームに入るのか?と思ったが、普通のマンション(バリアフリー)だという。
モデルルームを見てきたが、いや~マンションも日々進化してますナ。リビングの床暖房や各部屋ネットOKなんぞは当たり前、コージェネシステムやエコジョーズなどとエコロジーにも配慮している。キッチンは食洗機付き、浄水器付き、浴室は低床バスで手すり付き、ミストサウナまで付いている。廊下の足元にはフットライトがつき、非常時には取り外して懐中電灯として使えるんだそうな。収納スペースもたくさんある。専有面積も我が家より広い。へぇ~、こんなところに80前後の老夫婦2人で住むのか~。これでバブル真っ最中に買った我が家よりも安いってんだから、羨ましいったらありゃしない。ほんとにうちは間の悪い時に買ったものだ^^;
まぁそんなことはいいのだが、まずは今の家の片付け。
ガラクタが山ほどある。転勤族なのになんでこんなに溜まるのよ~というほどモノに溢れている。母が、捨てられない人なのだ。袋類紙類、段ボールの箱、古い衣類、私ら姉弟が子供の頃に買ってもらった本、百科事典etc....
庭の物置小屋の中には、母の嫁入り道具の長持(ながもち。若い人は知らんやろな~)まであった!50年以上前のシロモノだ! ガスホースでつなぐ卓上コンロ、餅箱、大昔の鍋、炊飯器、行水用のたらい・・・懐かしい、古き昭和の道具のあれこれ・・・。なにやら小動物(ネズミらしい)の白骨死体まで(爆)。
父はこのところ体調がすぐれないので、もっぱら指示するのみで実際に動くのは母。でも捨てられない人だから、捨てるといいながらもあっちのものをこっちに動かすようなものでちっともはかどらない。
「これでもだいぶ捨てたんよ」と弟。毎週末、夫婦2人で来ては片付けてくれていたらしい。そうかそうか、ご苦労さんやったね。「こんなもん、よう取ってるわ!」と言ったり、勝手にいきなり捨てるのは母のプライドを傷つけるので、母に納得してもらいながら捨てるのはなかなか骨の折れることだと言う。だろうな~。
私の私物もゴマンと出てきた。新婚当初は狭い社宅だからと、殆どのモノを実家に置いたままだった。本、レコード、衣類、古いアルバム、華道師範代の看板、編みかけのセーター、その他、今となってはわけわからんもの・・・若干のものを宅配で家に送り、殆どはエイヤッと捨てた!
あ~捨てた捨てた。無くても何の不便も感じなかったものだもの、捨てて正解やん。若干の未練はあるが・・・。
「老い支度せなアカンと思いながらもなかなか出来へんかってん。私が溜め込んだせいでエライ大仕事になってしもたなぁ」
「死なれてからてんやわんやするよりも、よっぽどいいわ。今度のマンションも収納いっぱいあるけど、もう溜め込んだらアカンよ」と憎まれ口をききながらも、よくぞまぁそのトシで引越しする気力があったものよ、もしかして父が転居を決めたのも、この際に老い支度を、との覚悟か?などと勘繰りながら、庭にいくつもの山を積み上げ、埃にまみれた二日間だった。
「よそから見えたら恥ずかしいから、もっと奥のほうに積んどいて」 よう言うわ!
「姉貴、今度は引越しの直前にもう一回来てな」 ええ~、また行くんかい!
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